2回続けて稽留流産。移植か着床前診断をすべきか……

流産を経験すると、次からどのような検査や治療を選択すればよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。妊娠継続のためにできることや治療との向き合い方について、あかつきARTクリニックの桑波田暁子先生に教えていただきました。

桑波田暁子 先生(あかつきARTクリニック院長)1999年久留米大学医学部卒業後、鹿児島大学産婦人科入局。鹿児島市医師会病院、鹿児島医療センター、加藤レディースクリニック、おち夢クリニック名古屋副院長等を経て、2018年2月あかつきARTクリニック開院。「着床不全」をテーマに、自然周期を中心とした患者さん目線の治療を地元・鹿児島で提供している。

アラジンさん(35歳)一般婦人科から不妊専門クリニックに転院しました。1回目の採卵はアンタゴニスト法で15個採卵(うち7個成熟卵)。体外受精では受精せず、顕微授精では2個受精(2日目初期胚グレード2×2個)。ホルモン補充で移植し、陰性でした。2回目の採卵はロング法で10個採卵(うち7個成熟卵)。すべて顕微授精して6個受精(2日目初期胚グレード1×2個、6日目胚盤胞4BC×1個、5BC×1個)。2回目の移植はホルモン補充(バイアスピリンとタクロリムス服用)で2日目初期胚グレード1を移植し、陽性でしたが心拍確認後7wで稽留流産しました。移植3回目はホルモン補充(バイアスピリンとタクロリムス服用)で二段階移植(2日目初期胚グレード1+6日目胚盤胞5BC)し陽性、胎嚢確認後7wで稽留流産。2回続けて稽留流産となり、今、流産物染色体検査の結果待ちです。残りの凍結胚を二段階移植するか、採卵して着床前診断をするか迷っています。

アンタゴニスト法とロング法できちんと反応しているので、卵巣の状態は比較的よいのでは?

排卵誘発にきちんと反応して採卵数は多く、AMH値も3.05なので、卵巣はじゅうぶん機能しているように思います。

ただ、現時点では不妊原因は不明とのことですが、体外受精で受精しなかったことから、もしかしたら受精障害の可能性はあるかもしれません。胚盤胞のグレードも低めなので、そこを改善できればアラジンさんが妊娠できる可能性はじゅうぶんにあると感じます。改善する方法というのはクリニックによっても方針や治療内容が違うので難しいところではありますが、卵巣の状態が比較的よいので、自然周期を試すのもいいかもしれませんね。

あらゆる可能性を探りながら、本当に必要だと思われる検査や治療を選択しましょう

今後の治療の選択は、採卵してもう少しグレードのいい受精卵を得る方法を試したり、残っている凍結胚を移植するなど、方法は一つではありません。アラジンさんは着床前診断を受けるかどうか悩んでいるようですが、やみくもに検査を受けるのではなく、流産染色体検査の結果次第で必要だと判断されれば考える、という気持ちでいてほしいですね。

検査というのは、すればするほどキリがありません。新しい検査が登場すれば受けたいと思う人もいるでしょうし、「あの時、検査しておけばよかった」と後悔してしまう人もいるかもしれません。でも、採卵や検査は経済的な負担にもなってきますし、本来なら必要のない検査で精神的・身体的な負担がかかることもあります。

 

何が必要で、どの情報を得れば妊娠につながる可能性が高まるか。これまでの経過や治療歴からヒントを得て「ここに問題がありそうだ」「今度はこれを試してみたらどうか」というふうに、本当にその患者さんに必要だと思われる検査や治療を提案する、というのが私の考えです。

 

ストレスを減らし、2人で治療に取り組みましょう

アラジンさんのように、当院の患者さんからもよく「何か自分にできることはないか」「どのように治療と向き合っていいのか教えてほしい」と相談を受けます。多くの患者さんと接してきた私からアドバイスできることは、「できるだけストレスをためないようにしよう」「治療だけの日々になってしまわずに、生活を楽しみながら並行して進めていきましょう」。そして、「子どもを抱っこすることを目標に、常に前向きに過ごしましょう」ということ。不妊治療はどうしても女性側の負担が大きくなってしまいますが、子どもがほしいというのは2人の共通の思いのはずです。お互いを理解し、支え合いながら、治療を進めていくことを心がけてほしいですね。

 

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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