【Q&A】43歳、低AMH。凍結できる胚盤胞が育ちません~井上善先生【医師監修】

ももらんどさん(43歳)

今年の9月で43歳、体外受精3回で胚移植2回しました。
1回目は顕微授精で採卵時すでに排卵しており、採卵は1つ。顕微授精の結果、受精しませんでした。
2回目と3回目は凍結初期胚グレード4を胚移植しましたが、着床に至りませんでした。
4回目の採卵からは自費診療になりました。
凍結初期胚ではまた着床しなかったため、胚盤胞まで育てる事にトライしましたが、グレードがccで凍結までに至りませんでした。
AMH低刺激法での治療をしてますが、年齢のこともあり、どんな治療が適切でしょうか。

井上先生にお聞きしました。

【医師監修】井上 善仁 先生 昭和59年3月、九州大学医学部卒業。同年4月、九州大学医学部婦人科学産科学教室入局。平成20年4月、福岡大学病院准教授。平成28年7月に井上善レディースクリニックを開院。スタッフ一同が協力して良いクリニックを作っていき、一人でも多くの患者さんに満足していただけるよう努力している。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

AMHが0.5ng/mLと低値のためshort法やGnRHアンタゴニスト法などの高刺激はやはり適応にならないと思います(トライしても数個の卵しか得られない可能性が高いためです)。低刺激法でクロミッド法、レトロゾール法、自然周期などでの採卵が妥当でしょう。
胚の質が不良な原因はやはり加齢による卵子の質の低下が主たる原因であると思います。これを改善する方法は残念ながら現状ありません。胚盤胞まで培養を延長すると移植自体がキャンセルとなる可能性が高く、また高齢の方の場合は胚盤胞移植よりも分割期胚移植のほうが成績が良かったという報告もあるので移植は分割期胚移植をお勧めします。
冷酷にお感じになるかも知れませんが、率直に申し上げて良い胚に巡り会えるかどうかが最大の問題であると思いますので、ご夫婦で治療を終結する時期をお考えになりながらやっていくしかないのではないかと思います。お力になれず申し訳ありません。
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