【Q&A】採卵前のプロゲステロン値について~蔵本先生

蔵本先生に質問してみました。

蔵本ウイメンズクリニック 蔵本 武志 先生 久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経て、1990年オーストラリア・PIVET メディカルセンターへ留学。帰国後、1995 年蔵本ウイメンズクリニック開院。JISART(日本生殖補助医療標準化機関)理事長。久留米大学医学部臨床教授。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

大ちゃんさん(36歳)

採卵にあたり、プラノバールを21日間服用し、6日後に消退出血が始まり、6日間ありました。
消退出血3日目より、デュファストン2回/日、HMG225。プロゲステロン値は0.11(消退出血3日目の値)。
刺激7日目より、デュファストン回/日、HMG150。診察で、卵が18mmがあったが、他は15くらいと言われ、エストロゲン2600、プロゲステロン値18.18。
刺激10日目でエストロゲン8200、プロゲステロン値0.91。
1点鼻(ブレセリン点鼻)。
2カベルゴリン0.25を1日1回、7日分処方
3レトロゾール2.5を1日2回、7日分
4座薬ジクロフェナクナトリウム50ラビンカプセル
刺激12日目採卵し、点滴で抗生剤と吐き気止め。バイアスピリン7日分、ガニレスト注射5日。採卵は24個取れ、スプリットにて、8個体外受精、9個顕微授精
育っている䛾が少なく、凍結できるのがあったらいいなというレベルと説明受けた。凍結胚は7個(体外受精4BC,4AC,4BB,6BB)(顕微授精4BC,4BB,6BB)。
体外受精4BBを移植し、着床せず。HCG0.3以下。
採卵前の血液検査でプロゲステロン値が18.18でした。
残っている凍結胚がありますが、プロゲステロン値が異常値であったにも関わらず、移植してもいいのでしょうか?
再度、採卵から行う必要があるのか教えて頂ければと思います。

ピルで消退出血後、黄体ホルモン併用法(PPOS法)で卵巣刺激を開始。刺激開始時のプロゲステロン値は0.11で、刺激7日目の血中E2 2600pg/ml、プロゲステロン値18.18、刺激10日目の血中エストロゲン値8200、プロゲステロン値0.91を見ると、(刺激7日目)の血中プロゲステロン値は排卵して黄体ができているレベルであり、その後、0.91の低値であったことにより、黄体はできておらず、18.18は違うのではないかと思います。

デュファストンは合成黄体ホルモン製剤ですが、血中プロゲステロン値は上がりません。

また、現在は血中プロゲステロン値は卵質を悪化させないことが言われており、全胚凍結すれば妊娠率はプロゲステロン値が低い症例と変わりません。次の胚盤胞6BBを移植されたら如何でしょうか。

AMH値が4.82と卵胞数は十分あるので、次回採卵する場合はあらかじめピルは使用せず、少し弱めのFSH製剤で卵巣刺激をされてみたらと思います。

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