
▶︎反復着床不全の検査について
良好胚を2回移植しても着床にいたらず、これといった原因も不明なため、着床の窓の検査など自費の検査をするべきか迷っています。主治医からは、TRIO 検査はエビデンスが少ないため、あまりおすすめしないと言われ、ビタミンDの血中濃度検査とフローラ検査のみすることになっています。現在2回移植に失敗している段階ですが、胚の問題も考えられるでしょうか。3回目の移植は2個同時移植する予定です。

久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経て、1990 年オーストラリア・PIVET メディカルセンターへ留学。帰国後、1995 年蔵本ウイメンズクリニック開院。JISART(日本生殖補助医療標準化機関)前理事長。久留米大学医学部臨床教授。
反復着床不全についてどのように考えるべきでしょうか?
蔵本先生●反復着床不全は良好胚移植を3回以上行っても妊娠しない状態をいいます。原因としては、胚質(胚染色体数の異常など)が半数以上、次に子宮内膜環境などが挙げられます。35歳という年齢での胚盤胞の染色体数異常は約60%といわれていますので、たまたまこれまで2個の染色体異常があった可能性も考えられます。
着床の窓(ERA)、TRIO などの検査はしたほうがいいでしょうか?
蔵本先生●子宮内膜着床能検査のERAには賛否両論あるようですが、検査結果により胚移植のタイミング調整ができた例もあります。こちらは先進医療A(保険と併用できる自費診療)ですので、助成金等を利用してやってみる価値はあると思います。さらに、子宮内細菌叢を調べるEMMA/ALICE検査もおすすめします。検査結果により、必要に応じて抗生剤の内服やラクトバチルス製剤の腟内投与を行うことで、より妊娠しやすい子宮内膜環境を整えることができます。こちらも先進医療Aで、ERAとEMMA/ALICEを同時に行うTRIO検査にされると、施設によっては料金も抑えられるかもしれません。
胚側の問題と今後の検査の方針についてアドバイスをお願いします
蔵本先生●27個採卵できているとのことですから、おそらく通常刺激法かと思われます。次回2個同時移植して妊娠しない場合は、自費診療になりますがPGT -A(着床前胚染色体異数性検査)を行い、染色体数の正常な胚盤胞を1個胚移植することをおすすめします。PGT -Aをしない場合、次はやや低刺激な方法で体への負担の少ない卵巣刺激を行い、できれば培養液を替えてみることも検討してください。ほかには、子宮内膜の着床部位近くにポリープがあると着床率が低下しますので、月経終了後に子宮鏡で子宮内膜の状況も一度調べてみてはいかがでしょう。
次回2個同時移植を予定されていますがどう思われますか?
蔵本先生●当院で36〜39歳の方で胚盤胞移植を2回以上しても妊娠せず、次の胚盤胞移植で2個移植した場合、着床率は51%ですが、多胎妊娠となる確率は41%もあります。多胎妊娠の場合、流早産、妊娠高血圧症候群、早産による低出生体重児などのリスクが伴います。ご夫婦でよく相談されることをおすすめします。


