二段階胚移植

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。

治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?

勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。

クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

二段階胚移植

体外受精-胚移植(IVF-ET)において、胚の着床率を上げる目的で開発された胚の移植法です。

初期胚を1個、子宮内に移植後、日にちをあけて同時に培養して胚盤胞まで発育させた胚を移植します。

自然妊娠では、受精卵が発育しながら卵管内を移動している間に、着床に必要なさまざまな情報を子宮に向けて発します。

この情報をキャッチした子宮内膜は胚が子宮に到達する頃を目指して着床の準備を始めます。

このような情報のやり取りが胚と子宮内膜の間で行われていることが確認されました。

そこでIVF-ETでは最初に移植した初期胚に情報伝達係をしてもらい、子宮内膜が胚の受け入れ態勢を整えた頃、着床率の高い胚盤胞を4番バッターとして送り込む方法が考え出されたのです。

まず複数の受精卵を同時に培養します。受精後2~3日に初期胚を移植します。

この初期胚が子宮に向けて情報を送り、子宮内膜は着床の準備を開始します。

そして5~6日後、着床の準備が整った頃、胚盤胞に至った別の胚を移植します。

この方法では2個の胚を移植するので多胎妊娠の可能性がありますが、なかなか着床しない場合や高齢の女性に効果があるといわれています。

徐 東舜 先生

徐 東舜 先生  大阪大学医学部卒業。大阪大学病院、愛染橋病院、大阪府立成人病センター、西宮市立中央病院(医長)勤務を経て、2000年2月に西宮甲東園で徐クリニック開業。
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