なかなか卵子が育たない場合は?

第2子治療時にAMHが0・08ng/mlと判明。なかなか卵子が育たない場合は?

1人目は自然妊娠で授かったため、卵巣予備能の低下に気づかず、2人目の治療で苦労をするというケースは珍しくありません。体外受精に臨むも低AMHで卵巣刺激が難しいという場合、ほかに卵子を育てる手立てはあるのでしょうか。浅田レディースクリニックの浅田義正先生に詳しいお話を伺いました。

浅田レディースクリニック 浅田 義正 先生 名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
こうのとりさん(39歳)からの相談 36歳で出産し、38歳から2人目の治療で通院を開始。1年ほどタイミング、人工授精をしましたが結果が出ず、体外受精を行っている病院へ転院したところ、AMHが0.08ng/mlと判明しました。1人目は自然妊娠で授かったため、2人目ができないことがつらく精神的にも追い込まれています。高刺激はできないとのことで、クロミッド®の服用と時折注射をするくらいです。なかなか卵が育たず内診のたびに落ち込んでしまい、どうしたらいいのかわかりません。私のように低AMHだと卵子が育つのを待つしかないのでしょうか。

AMH値0・08ng/mlは早発閉経に近い数値

39歳でAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が0・08ng/ml。これは早発閉経に近い状態だと思います。女性ホルモンの分泌がどんどん低くなっているので、このまま放っておけば排卵しなくなってくるでしょう。

また、出産後、生理不順になったり、月経量もだんだん少なくなってきたとのこと。卵子は半年かけて育っていきます。原始卵胞から半年かけて成熟卵胞まで育つ卵子があるうちは月経は正常ですが、異常になった時にはほとんど手遅れで、大元の卵子がないということが証明されているようなものです。

自分では気づきにくい卵巣予備能の低下

第1子は運良く授かることができましたが、実はかなり前から卵巣予備能が落ちていたのではないでしょうか。30代前半の段階でもAMHの値は一般的な平均値より低かったと思います。

残念ながら卵巣予備能の低下は自分では気づけません。特に一度妊娠・出産した方はそこに着目することなく、この方のように気づいた時には厳しい状況で、第2子の妊娠に苦労することがあります。生理が正常にきていても卵巣予備能は落ちていますから、当院では、30歳になったらAMHを測っておくことを強くおすすめしています。

脳下垂体ホルモンの調整で卵が育つ環境に

厳しい状況だと思いますが、手立てがないわけではありません。早発閉経ぎみの方はFSHLHのホルモン値も上がってきます。一般的には、カウフマン療法といってホルモン剤を使ってこれらの数値を安定させようとする治療を行うことが多いと思いますが、なかなか数値が下がらず、半年、1年と時間を無駄にしてしまうこともあります。

そこで当院が試行錯誤のうえ、独自に開発したのが脳下垂体ホルモン調整法というやり方です。

カウフマン療法でホルモン剤を使うとFSHやLH値は確かにいったん下がりますが、薬を飲むのをやめて生理がくる頃にはまたドンと跳ね上がってしまいます。それに対し、この方法は生理がくる前から卵胞ホルモンを服用し、FSH・LHをコントロールしてからスタートさせます。

刺激ではなく、脳下垂体ホルモンをうまくコントロールし、少ない卵胞が育つ環境を整えることで排卵に至り、採卵できることがあります。大事なのは的確な治療を受けられる施設で、半年、1年など期限を切って治療に臨むことだと思います。

2人目不妊になる原因は?

一つは晩婚化による卵子の老化ですね。35~40歳くらいで結婚して第1子を出産し、その2~3年後に第2子をとなると妊娠率はガクンと落ちてしまいます。また、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患がある方は年齢とともに病状がひどくなってくるので、骨盤内の条件も悪くなってきます。案外見逃されがちなのが手術による影響で、1人目のお子さんを帝王切開で出産した場合、癒着を起こして卵管の動きなどが悪くなり、不妊を引き起こす場合があるのですね。1人産んだからと安心せず、早めの受診・検査をおすすめします。

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。