原因不明のまま時間だけが過ぎていき…

セカンドオピニオンのおかげで、ようやく前に進むことができました。
インスタグラムの投稿が共感を呼び、ジネコの不妊治療助成金復活の署名活動も協力してくれているポンポン太郎さん。セカンドオピニオンで新たな不妊原因が判明し、「第三者の意見を聞く」ことの大切さを実感しました。

回数を重ねればうまくいくと信じて体外受精を続けたが……

治療内容や夫婦の日常、そして妊活中の喜怒哀楽をインスタグラムで発信し、現在までにフォロワーさんが2700人を超えるポンポン太郎さん(34歳)。スポーツ関係のお仕事をしている夫さん(27歳)と車で片道約3時間の遠距離恋愛を実らせて、ポンポン太郎さんが31歳の誕生日を迎えた日に入籍しました。

「かなり年下だし、本気じゃないならつき合いたくないって思ったんです。それを彼に伝えると、仕事が休みの週末のたびに会いに来てくれて。遠距離でも寂しい思いをさせない、という彼の本気が嬉しかったです」

お互いに子どもが大好きで、付き合っていた当初から「子どもは絶対に欲しいよね」「こんな家族がいいよね」と理想を語り合っていた二人は結婚後すぐに妊活を開始。自己流で4カ月間タイミングをとっていたそうですが、一向に妊娠の気配はありませんでした。

入籍前のブライダルチェックでは何も問題はなかったものの、年齢的な不安があるため地元の不妊専門クリニックで検査を受けることに。ひと通り調べても特に原因は見つからず、「まだ若いから、体外受精をすれば大丈夫」という主治医の言葉に安心していたら3年の月日が経っていました。

採卵14回、移植8回。それでも結果が出なかった。

体外受精を始めて1年、なんとか着床まではこぎつけても育ってはくれませんでした。「卵子側の問題だから、いい卵子に出会えるまで回数をこなすしかない」という主治医の言葉を信じ、治療を続けたポンポン太郎さん。低刺激の排卵誘発で採れるのは1~2個。14回採卵を行いましたが、0個だったことも何度もありました。

「個数が少ないから麻酔を使わない採卵を選択しました。膣から針を入れて卵巣内の卵胞に刺す感じですごく痛いんだけど、10分ほど我慢したら終わり。静脈麻酔は副作用がひどかったので、私には無麻酔のほうが合ってたんでしょうね」

低刺激で体への負担はあまり感じなかったそうですが、14回の採卵と移植を8回行っても結果が出ない日々に心がどんどん苦しくなっていくポンポン太郎さん。ついに、夫さんと修復が難しいほどの大喧嘩をしてしまいます。

ゴールが見えない妊活で、離婚危機の大喧嘩に発展

ポンポン太郎さんと夫さんの共通の思いは「絶対に子どもが欲しいから、できるまで頑張る」ということ。「ただ、現実はどんなに頑張っても結果が出ないし、何をやってもダメじゃん!って夫も心が折れてしまったんです」

それまでも些細な喧嘩を繰り返していた二人でしたが、2023年の夏のある日、結婚3年めにして離婚が頭をよぎるほどの大喧嘩に発展してしまいました。

「ゴールが見えない妊活でつらいのはお互い同じ。でも気持ちがすれ違って会話はほとんどなくなり、寝室も食事も別になってしまいました」

イライラしても夫さんに気持ちをぶつけると本当に離婚してしまうと感じたポンポン太郎さんは、たとえ返事がなくても「行ってきます」「お帰りなさい」と声をかけ続け、「食べたくなかったら食べなくてもいいけど、私は作るからね」と宣言して夫さんのご飯を準備することをやめなかったそう。

「私が普通に接していたら徐々にご飯は食べてくれるようになり、会話も増えていきました」。関係修復を願い、つらい治療が続くなかでも夫さんと向き合うことを諦めなかったポンポン太郎さん。夫さんが風邪をひいたタイミングで仲直りし、また二人で頑張っていこうと心を一つにしました。

3年間の治療で初めて卵管水腫と診断された

「何度も移植を繰り返しているのにいつまでも結果が出なくて、ふと、このままで本当に大丈夫なのって疑問に思ったんです」

総合病院でのセカンドオピニオンを受けようと決意し、そこで撮ったMRIで卵管水腫が判明。「卵管にたまっている水が子宮に流れ、着床を妨げているかもしれない」と担当医から聞かされました。

「ブライダルチェックで大丈夫だと言われれば素直にそう思うし、不妊クリニックで問題ないから回数を重ねるしかないと言われればそれを信じますよね。でも、初めて卵管水腫という言葉が出てきて、別の先生の意見を聞くことがどれだけ大切なことか、身をもってわかりました。治療で悩んでいる人は絶対、セカンドオピニオンを受けてほしいです」

卵管水腫の手術を受けたポンポン太郎さんは、2周期ほど治療をお休みしてから再び主治医のもとで治療を開始予定です。

助成金復活を願い署名活動を拡散中!!

SNSでジネコが不妊治療助成金制度復活の署名活動をしていることを知ったポンポン太郎さんは、自身のインスタで積極的に情報を拡散してくれています。その背景には保険適用の条件にもどかしさを感じ、治療を受けづらくなったと実感している現実がありました。

「保険適用でみんなが治療を受けやすくなったという側面はあるかもしれないけど、回数や年齢制限、凍結卵がある間は採卵できないなど謎のルールもあって。助成金制度のほうが治療を受けやすかったという人も多いと思うんです。保険適用に加えて助成金制度を少しでも早く復活してほしいと思っています」

ポンポン太郎さんの「ジネコ」活用方法

治療初期からジネコの公式インスタグラムをフォロー。妊活レシピやおすすめサプリ、不妊治療の情報などを参考にしてくれているそう。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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