【Q&A】ERA検査後、移植4日前のシート法~岡村先生【医師監修】

ミックさん(41歳)

今日から5日後に移植予定で、移植4日前にシート法を予定しています。
私の場合、1回目PGT-A正常胚移植で上手くいかず、着床反応も全く出ておりませんでした。
そこからERA検査を行い、5日後の移植が決定しています。ホルモン補充周期です。
シート法は移植2〜3日前に行うという情報をネットでよく拝見しておりますが、このシート法移植4日前に入れた場合、クロストーク?で子宮環境を整え出したとき、ERA検査で調べた着床の窓の開く時間に影響が出て着床が上手くいかなくなるという事はないのでしょうか?
3日前は担当の先生が不在のためシート法を実施するのは難しいようで、2日前か4日前に絞られるのですが、担当の先生は「経験上から4日
前が良い」とだけ言われ、伺いましたが理由までは教えていただけませんでした。
シート法でERA検査結果での着床の窓に影響を与えることはないのかどうか、4日前のシート法で問題はないのでしょうか?

岡村先生に教えていただきました。

【医師監修】岡村佳則 先生(ソフィアレディースクリニック水道町)1993年、熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院勤務、米国留学、熊本大学医学部附属病院、熊本総合病院勤務等を経て、2022 年5 月ソフィアレディースクリニック水道町の理事長・院長に就任。モットーは「二人の気持ちに寄り添い、そのための心と体に優しい医療の提供を行う」。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
・PGT-A正常胚移植でも着床反応が出なかった理由として、どのようなことが考えられますか?
着床障害の原因として慢性子宮内膜炎の存在や、免疫寛容の異常などの可能性が考えられます。子宮鏡検査やTh1/Th2の検査はされたのでしょうか。
・シート法のメリット・デメリットについて教えてください?
シート法はもともと、二段階胚移植を考案された後藤栄医師により開発されました。胚と子宮のシグナル交換の概念を元に、胚培養液を子宮に注入することであらかじめ移植の前に子宮に着床の準備を行わせる方法です。メリットは、二段階移植のように複数胚の移植を回避できることです。デメリットは培養液の保存の手間や、受診や費用の面くらいだと思われます。
・ERA検査後の移植とのことですが、移植4日前にシート法移植を行うことで着床の窓の開く時間に影響が出るのでしょうか?
ERA検査では、実際の移植周期と同一の薬剤を使用しなければ正確な移植時期の判定が難しいと言われていますので、ERA検査周期にもシート法を行うのがベストと考えられます。シート法を行うことで着床の窓が開く時間が変化する可能性はありえます。
・一般的に、シート法は移植の何日前に行いますか?
もともと報告された方法では移植の3日前で、通常2-3日が多いようです。
・「4日前が良い」のはどのような理由からでしょうか?
胚と子宮のシグナル交換により内膜に着床の準備を行うのが目的ですので、少し早めの施行でも良いのかもしれませんが、そのような報告は見つけられませんでした。
ミックさんの場合、ERA検査で5日後の移植ということなので、もともとズレはないようです。従ってシート法併用でも移植時期は変わらないように思います。
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