【Q&A】ホルモン周期での移植について~佐藤幸保先生【医師監修】

もなかさん(38歳)

D3に内診をしてもらい遺残卵胞もないとのことでホルモン周期での移植周期に入りました。
エストラーナテープ(3枚)を開始しました。
D12で内診をすると排卵疑惑が出たため、急遽採血をしたところ、E2が399・P4が6.36で移植中止となりました。
初めてのことでビックリし、頭が真っ白になり担当医にもどうしてなのか聞くことができませんでした。
本日よりプラノバール10日間服用します。
次はどのようにしたら排卵せずに移植ができるでしょうか。
追記
4月に移植した時はジュリナを飲んで移植しましたが排卵はしていませんし、今までエストラーナテープて排卵したこともありません。

ハシイ産婦人科の佐藤幸保先生に伺いました。

【医師監修】ハシイ産婦人科 佐藤幸保先生 京都大学医学部附属病院および高松赤十字病院で体外受精など生殖医療を担当。患者さんそれぞれのニーズに応じて、個別化した不妊診療を提供することをモットーにしている。
資格:産婦人科専門医、生殖医療専門医、周産期専門医・臨床遺伝専門医
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
ジュリナやエストラーナは避妊用ピルではありません。ですので、これらの薬剤を使用していても偶発的に卵胞が育ち、排卵することは私も経験しています。再度おこる可能性は低いですが、心配なら、GnRHアゴニスト(ブセレリン点鼻薬など)を併用すれば、排卵はほぼ完全に抑えられると思います。

●エストラーナテープを貼ったあとD12で排卵したそうです。初めてのことだったそうですが、何が原因だと考えられますか?

エストラーナを貼っていても卵胞が育ち、排卵することはあります。偶発的なことであり、特に原因はないと思います。
●排卵せずに移植するために、次はどのような方法を試してみればよいでしょうか?
GnRHアゴニスト(ブセレリン点鼻薬など)を併用すれば、排卵はほぼ完全に抑えられると思います。
●不妊治療ではプラノバールはどのような目的で使用されますか?
保険適用上は、生殖補助医療において調節卵巣刺激の開始時期を調整するために使用します。今回のように、いったん治療周期を仕切り直しするときにも用いることがあります。
●治療歴2〜3年、現時点で不妊原因は「原因不明、不育症、着床障害」でAMHは2年前の数値で「0.81」とのことです。先生なら相談者さんにどのような治療を提案されますか?
卵巣刺激法を工夫して、1回あたりの採卵数をできるだけ増やし、胚盤胞のみを凍結して、その後の周期で融解胚盤胞移植をすることを提案します。
●その他、もなかさんにアドバイスをお願いします。
年齢が38歳であれば、染色体正常の胚盤胞を得るのに必要な採卵数は平均12個程度と推定されます。1回あたりの採卵数は血中AMH値から推定できますが、AMH0.81(42歳相当)なら5-8個程度でしょう。ですので、2-3回の採卵を行えば妊娠できることが十分に期待できます。1回の採卵で妊娠できなくてもあきらめずがんばってください。
形態良好な胚盤胞を3回以上移植しても妊娠しなかった、あるいは流産を2回以上繰り返した場合は、不育症や着床障害の検査をしてもらうことをおすすめします。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。