【Q&A】インドでの治療~高橋敬一先生【医師監修】

おばさん(30歳)

30代同い年夫婦です。
夫は原因不明の男性不妊のため顕微一択で治療中です。
去年の7月に男性不妊発覚、そこから治療開始しました。
夫の海外駐在(3~5年)が決まり、夫が出発までに凍結胚盤胞をつくるため採卵と顕微5回実施し、凍結できたのは2つです。
夫がいなくなってから凍結精子での顕微は受精はしましたが凍結まで至りませんでした(当日採精での受精、凍結できました)2023/8月に初めて移植をしましたが、陰性でした。
残りの胚盤胞は1つ(4AA 2.1pn)、10月に夫が採卵と凍結精子を作りに一時帰国してくれますが、次はいつ帰国できるか不明です。
そのため、私がインドに行って治療するのはどうだろうかと思い始めてます。
インドでの顕微授精や不妊治療についてどう思いますか?

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
顕微授精で、胚盤胞が少ない事が問題であると考えます。
インドの不妊治療に関しては詳しくは分かりませんが、実際にはインド全体の問題よりも、個々の施設の技術は外部からは分からないのです。したがってこの場で推測することはあまり意味がありません。
凍結精子で授精/着床に影響があるかどうかは、議論があるところで、両方の意見が混在しています。
当クリニックでは、顕微授精をするならば、一般論としては凍結精子で十分対応可能と判断しています。
もし、成績が良くないならば、1回の精子採取ではなく、2~3回精子を採取して、比較的良い精子を使用する様にすれば良いでしょう。
「ご主人と一緒の方が治療を受けるのにお二人に好都合である」ならばインドに行く意義はあると思います。しかし、インドに行って新鮮精子を使用することで胚盤胞が得られる可能性が高くなる可能性は高くはないでしょう。良い胚盤胞を多く得ようとする為には、ビタミンD、C、亜鉛、銅、たんぱく質、コレステロールなどの検査は受けていますでしょうか。必要に応じてサプリメントを使用することも十分意義はあり得ます
AMHが高いので、多嚢胞性卵巣症候群の可能性は如何でしょうか。
また、ご主人への対策として、タバコは吸っていませんね?
精索静脈瘤はないことは確認していますか?
ご主人にビタミン、漢方なども使用することも良いと思いますよ。
インドに行くことでの新鮮精子を使える一方、「おばさん」さんの生活環境はかなり変化して、言葉の問題、食事、環境など、ストレスの上昇は容易に想像できます。デメリットも多いと思いますよ。そのような中での判断になりますので、お二人でよくご相談なさってみて下さい。
なお、30歳ですので「おばさん」ではありません。
十分お若いので諦めずに頑張って下さいね。
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