【Q&A】今後の治療について~高橋敬一先生【医師監修】

もかさん(30歳)

今後の治療について迷っています。
現在、移植4回を行い全て着床しません。
移植したグレードは、
1回目:4AA、2回目:初期胚、3回目:5AA、4回目:4AB×2個と2回目以外は良好胚にもかかわらず陰性でした。
PGT-AとTh1/Th2以外はやれる検査は全て行いました。
年齢30歳で良好胚が出来る場合、PGT-Aをやる価値はあるのでしょうか?
今の病院には5年通って結果が出ていないので相性が悪いのかな?とも考えており、今後の治療について以下の選択肢で迷っています。
1今の病院でまた採卵を行いPGT-Aをしてみる
2リプロにいらした先生が去年開院した病院に転院する(PGT-Aはしていないので出来ないことがネックです)
3県外のPGT-A実績のある病院へ移る
・私のような状況でPGT-Aをすることは有益か
・今後の治療の選択肢について
の2点についてお考えを聞かせていただければ嬉しいです。

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
妊娠しない原因も分からず、治療の方針に迷っていらっしゃるのですね。
今後の方針は、考え方により変わる状態なので、一つの考え方としての確認と提案を致します。
まず確認事項です。
この中に記載はないのですが、子宮鏡と子宮卵管造影検査は受けていますか。
子宮内の異常と、卵管水腫がないことは確認できていますでしょうか。その上で、
1)PGT-Aを受ける意義はあり有益です。
      PGT-Aを受けるならば、採卵数が多いほど胚盤胞も多くなるので、 1回の採卵数が多くなる誘発法が良いでしょう。
ただし、PGT-Aも絶対的な検査ではありません。
     PGT-Aを受けない方針も成り立つのです。
2)今後の選択肢についてですが、
①記載はありませんが、廃盤補移植の際には、アシステッドハッチングはおこなっていますか。
②Th1/Th2の免疫能検査や着床能検査(ERPeakなど)も受けておいて良いと思います。ただし、これらは、参考にする程度になります。
③PGT-Aは自費採卵となり、コスト面ではかなり負担(60万円程度)が大きくなります。
 保険が使えるうちは、PGT-Aをせずに治療をおこなう意義は十分あります。
その場合には、内膜擦過法、2個胚移植、2段階移植、などもあり得る対策法です。
④顕微授精は必要なのでしょうか?
   受精するならば、体外受精(ふりかけ法)の胚の方が約4%程度妊娠しやすいのです。
⑤タイミング法で妊娠しているので、今後も自然妊娠の可能性があります。
   子宮卵管造影検査をうけて、性交渉は週2回以上もてていますか。
 体外受精の合間には、タイミングや人工受精も併用して良いのです。
 また性交渉が多い方が、免疫能が優位にはたらいて妊娠しやすくなるのですね。

以上のように、次にとる方法としてはPGT-Aのみではなく、他にも試してみる方法は複数あるのです。

その中で、おこなえるものを相談して受けてみては如何でしょうか。
タイミングでも妊娠してるので、妊娠できる可能性は十分あると思いますので頑張って下さいね。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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