多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)のバランスが崩れ、慢性的に卵巣内の男性ホルモンが過剰となり、うまく排卵できない状態です。

男性ホルモンが高いため、にきびや多毛といった男性化徴候がみられます。

また月経周期が長い・不規則、無月経になるなどの月経異常があります。

血液検査では男性ホルモンの高値を示し、FSHの基礎値が正常にもかかわらずLHが高くなります。

超音波断層検査では、卵巣に数珠状につながった多数の小卵胞を認めます。

原因はいまだ不明ですが、視床下部-下垂体、卵巣、副腎皮質の機能障害、インスリンの機能低下などがかかわるとされています。

治療はクロミフェンなどの排卵誘発剤で排卵を促します。

効果がない場合は腹腔鏡を用いてレーザーで厚くなった卵巣の表面に数箇所小さな穴を開ける方法(腹腔鏡下卵巣多孔術)が行われます。

またインスリンの機能低下の場合には、糖尿病治療薬のメトホルミンを投与します。

保坂 猛 先生

保坂 猛 先生 聖マリアンナ医科大学卒業。聖マリアンナ医科大学産婦人科医長、同大学産婦人科非常勤講師。ファティリティクリニック東京勤務を経て、2011年三軒茶屋ウィメンズクリニックを開院。
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