TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。

治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?

勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。

クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

 TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)

脳の視床下部から分泌されるホルモンで、脳下垂体前葉に働きかけて甲状腺刺激ホルモン(TSH)、プロラクチン(PRL)の分泌を促します。

さらにTSHは甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを分泌させます。

血液中の甲状腺ホルモンが増えるとネガティブフィードバック機構によりTRH、TSHの分泌が抑制され、一定に保つようになっています。

またプロラクチンは妊娠中の乳腺を発育させ、出産後の乳汁分泌を促進させる作用を持ちます。

この時期以外にプロラクチンが過剰に分泌されると、黄体機能を維持させるため排卵が抑制され、分泌障害をおこすことがあります。

また甲状腺の異常によって甲状腺ホルモンがうまく分泌されないと、フィードバック機構によりTRHが放出されます。

刺激を受けた下垂体前葉から本来必要なTSH だけでなくプロラクチンも同様に分泌されてしまうことがあります。

本当は甲状腺の病気であるにもかかわらず、プロラクチンの異常が現れるのはこのためなのです。

波多野 久昭 先生

波多野 久昭 先生 日本医科大学卒業。ハンブルク大学産婦人科学教室留学後、日本医科大学付属病院産婦人科学教室講師、飯田市立病院産科科長を経て、2005年ノア・ウィメンズクリニックを開院。
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