【Q&A】胚盤胞にならない~山下正紀先生

むにさん(30歳)

不妊治療3年目。AMH3.01です。
2023年4月末頃、11回目䛾採卵を行いました。
元々FSHの値が生理3日目でやや高い(8.0~9.0)こと、高刺激法でのE2の値が生理8日目頃から急激に上がってしまう等の理由から今回はPPOS法での採卵を実施し、黄体ホルモン内服薬とゴナール225単位を生理3日目から生理10日目までの8日間続けました。生理12日目の採卵で7個卵子が採れ、全て顕微受精を行った結果、5個受精し、1個は2日目初期胚(4分割グレード3)で凍結。残りは4個は胚盤胞まで凍結を目指しましたが、4個のうち1個は6日目胚盤胞まで成長したものの、凍
結基準を満たすことができず破棄。また、残り3個の受精卵は2、3日で成長が止まってしまい、今回も胚盤胞凍結はできませんでした。
これまで、アンタゴニスト法、ロング法、ショート法、低刺激法等を実施するも胚盤胞凍結は採卵11回のうち2回のみ。どの卵巣刺激法を実施しても、卵子は必ず採れ、8割は受精するものの、受精2、3日目で成長が止まってしまい、胚盤胞になかなかなりません。

左右の卵巣に複数個チョコレート嚢胞(サイズは1.3~1.6)があること、右側卵管が閉塞、左側卵管が狭窄していることから2年前から体外受精を実施しております。
不妊治療も3年目となり、精神的、身体的にもかなり厳しい状況ではありますが、今後も採卵できる限り採卵は続けたいと考えております。

漢方薬は、子羊袋、ワタナベオイスター、ショーキT1、煎じ薬を服用し、サプリは葉酸、ヘム鉄、ビタミンD、ラクトフェリン、PQQを服用しています。
胚盤胞まで成長することが難しいことは身をもって感じておりますが、今後の卵巣刺激法や私生活で気をつけられること(服用すると良いサプリメント等)を教えていただきたいです。

山下先生にお聞きしました。

監修 山下レディースクリニック山下正紀先生

1980年、奈良県立医科大学を卒業後、京都大学産婦人科に入局。舞鶴市民病院産婦人科の医長として同院の生殖医療を確立後、神戸中央市民病院で産婦人科医長、体外受精チーフとして数多くの患者さんの治療にあたる。1997年、神戸三宮に山下レディースクリニックを開設。一般不妊治療から高度生殖医療にわたる初診から妊娠成立までを一人で担当し、妊娠したカップルは10000組を超える。キッズルームを併設し、2人目不妊にも対応している。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

採卵11回されて、凍結できるレベルの胚盤胞に育つことが少なかったとのこと。なかなか大変な状況お察しいたします。

30歳とお若く、AMHも保たれている方なので、採れてくる卵の質の問題だろうと思います。
もしかしたら両側のチョコレート嚢胞が悪影響しているのかもしれませんね。

治療やサプリ等考えられる対策は十分されているように思います。

おっしゃるように採卵を重ねられて、よい受精卵に巡り合えるようチャレンジされるのがよろしいと思います。
その場合、確率を上げるためにも、一回当たりの採卵数が少しでも多くなるような刺激方法を主治医の先生ともよく相談されることをお勧めいたします。

よい結果が得られますようにお祈りしています。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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