【Q&A】適切な妊活レベルの把握方法~藤野剛先生

たにこさん(38歳)
クリニックに通い、そこで一通り不妊検査は実施しました。フーナーテストで結果がゼロだったので抗精子抗体を調べましたが陰性、精液検査も特に問題は見つかりませんでした。
卵管造影もしましたが二本とも問題ない結果でした。
基礎体温を毎日測っており、排卵予定日近くにタイミングを取るようにしてすでに1年が経ちますが、一向に妊娠しません。年齢が問題なのでしょうか?不妊クリニックでは特に原因が見当たらなかったため、タイミング指導しかなく、このままで良いのか年齢的にも不安です。適切な妊活レベルを把握するに他の病院にも行ってみるべきなのでしょうか?

藤野剛先生にアドバイスしてもらいました。

ときわ台レディースクリニック  藤野 剛 先生
帝京大学医学部卒業、帝京大学医学部産婦人科入局。焼津市立総合病院、帝京大学医学部付属病院、大川病院を経て2008年9月ときわ台レディースクリニック開業。一般婦人科にも対応し、地域に根差した診療を心がけています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
■38歳、不妊検査で主な原因が見つからない場合、妊娠しにくい理由はどのようなことが考えられますか?
結婚後3年、不妊検査で明らかな原因なく、1年間タイミング療法にて結果一度も出ないならば、年齢38歳であることから原因不明不妊の適応で生殖補助医療に進んでもよいかと考えます。
あるいはPCT不良であるならばAIH(人工授精)を3周期ほどトライしてもよいかと考えます。

■AMH検査はすべきでしょうか?AMH検査でわかること、値が治療ステップを決める上でどのように役立つか教えてください

AMHは治療法変更の参考のため測定するほうが良いと考えます。
年齢の平均に比してきわめて低値であるならば直ちにART検討したほうが良いと考えます。

■フーナーテストの結果が良くない一方で、抗精子抗体・精液検査正常。男性不妊の可能性もありますか?

見かけ上、正常な精子であっても何らかの原因で受精率が低い場合もあります。例えばDNAの断片化率の高い場合などは著しく受精率低下を招いている恐れがあるためより詳しく検査するなり、あるいは体外受精にて受精障害の有無を確認するほうが良いでしょう。

■先生であれば、この方にどのような治療ステップを勧められますか?

今後の治療方針、質問でもお答えしたようにまずはAIHを数回行い、結果出ないようなら体外受精に進むか、あるいは年齢、治療経過から直ちに体外受精としてもよいと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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