抗精子抗体【医師監修】

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。

治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?

勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。

クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

抗精子抗体

精子を異物と認識し、精子と結合して精子不動化作用、受精 障害作用を示す。

精子を動けなくする精子不動化抗体、精子同 士を凝集させ運動率を低下させる抗精子凝集抗体などがありま す。

抗精子抗体は男女ともに産生される可能性があります。

男性の場合、本来異物ではない精子に対し、自己免疫機能の 破綻によって自己抗体が産生されます。

抗精子抗体は精路閉塞、 感染症、精巣内の温度上昇、精巣の損傷などが原因となって産 生されるといわれています。

女性の体にとって精子は異物ですが、通常抗体がつくられま せん。

しかし、免疫機能の障害により抗体がつくられると、腟 内に侵入してきた精子に抗精子抗体が結合し、精子不動化作用 により運動性のよい精子でも通過を妨げてしまいます。

通常、イムノビーズ法や精子不動化試験で精液中や頸管粘液 中の抗精子抗体を検出します。

陽性の場合、自然妊娠や人工授 精による妊娠は難しくなります。

伊藤 哲 先生

【医師監修】伊藤 哲 先生 順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。順天堂大学医学部産 婦人科学教室講師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、 1999年あいウイメンズクリニック開院。日本生殖医学会 生殖医療専門医。
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