エストロゲン

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。

治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?

勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。

クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

エストロゲン

いわゆる女性ホルモンの1つであり、主に卵胞から産生されるので卵胞ホルモンともいわれます。

エストロン(E₁)、エストラジオール(E₂)、エストリオール(E₃) などがあり、これらの総称でもあります。

通常、血液検査で測定するのは卵巣で産生されるE₂です。

思春期に乳房、子宮、外陰などを発育させ、第2次性徴を発現させて女性らしい体形をつくります。

さらにプロゲステロンとともに月経周期にかかわり、子宮内膜を厚くする、頸管粘液の分泌を促すなどの働きをします。

また、自律神経、脳の働き、脂質や糖代謝などにも深く関わっています。

エストロゲンは主に卵胞刺激ホルモ(FSH)により発育・成熟した卵胞の顆粒膜細胞でつくられ、血液中に分泌されます。

血流にのって目的の臓器に到達したエストロゲンはそこではじめて作用を現します。

卵胞の発育は司令塔である脳の視床下部でコントロールされています。

心身のストレスや過度なダイエットなどの影響で司令塔がダメージを受けると、卵胞が発育せずエストロゲンがうまく分泌されなくなり、さまざまな支障が生じます。

血液検査で卵巣の状態がわかります。

基準値は月経周期や妊娠、閉経などによって変わりますが、値が低ければ卵巣機能が低下している状態が推測されます。

原因として、無排卵や無月経、40代後半では更年期などが考えられます。

値が異常に高ければ、エストロゲン産生卵巣腫瘍などの可能性があります。

● 女性ホルモンと基礎体温

後藤 哲也先生

後藤 哲也先生 東京大学医学部卒業。1993年、米国ウィスコンシン大学医学部産婦人科フェローとしてIVFおよびPGD/PGSの研究に従事。2002年2月より東京HARTクリニックで副院長として12年間診療を行い、3000組以上のご夫婦を治療。2014年7月、横浜HARTクリニック開院。
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