【Q&A】仕事と着床率の関係~苔口先生

妊活中、お仕事と治療のバランスって大変ですよね…

仕事自体は、着床率等に影響するのでしょうか?

英ウィメンズクリニック 苔口 昭次 先生に聞いてきました。

英ウィメンズクリニック 苔口 昭次 先生 1984 年、宮崎医科大学卒業とともに岡山大学医学部産婦人科学教室に入局。1992 年医学博士( 岡山大学)。高知県立中央病院産婦人科勤務を経て、神戸掖済会病院産婦人科部長に。2004 年より英ウィメンズクリニック勤務、2013年同院長に就任。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

たからさん(43歳)

友人から「仕事を辞めたら妊娠した」と聞きました。
来月、胚移植をするにあたり、仕事は辞めるべきでしょうか?
現在看護師の仕事で夜勤もしながらの不妊治療中です。
夜勤はホルモンバランスが崩れやすくなり、着床の妨げになるのでしょうか?
ご助言よろしくお願いします。

ご質問ありがとうございます。

最近、夜勤と不妊については、科学的な検討されていますが、なかなか結論がでていません。結局のところは、規則正しくストレスをためないような生活を工夫してゆくことが望ましいです。友人がいわれるように不妊治療にある時期専念されるのもよいかもしれません。

ではどう考えたらよいのかというと大規模の検討をされた医学論文を参考することになります。最近の論文報告(オーストラリア)からですが、12万人の女性で夜勤をされているかた(ほぼ8割が看護師)と日中勤務のかたでの不妊についての比較です。夜勤のかたは27-40%不妊の可能性を上昇させたとあります。ここだけをみると夜勤はやはりホルモンバランスを崩したりすることで妊娠から遠ざかる可能性はあると思います。

しかし、但し書きがあって、35歳以下の女性に限るようです、統計学的には35歳を超えると夜勤していてもしていない方と比較して妊娠率に差はなかったとのことです。たからさんは35歳以上ですので、不妊治療と仕事との両立で、身体が思わしくないと感じられる場合には、夜勤なしなどの勤務交代をしていただけるよう上司に相談されるのはいかがでしょうか。その場合後押ししてくれるのが厚生労働省から作成した不妊治療と仕事の両立の「不妊治療連絡カード」が利用できます。医師から事業主(たからさんの場合病院)に特に仕事の配慮をしてほしいと提出することができると思います。

仕事と不妊治療両立、難しいと思いますが、参考になればと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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