【Q&A】着床不全です。今後の方針は?~稲垣先生【医師監修】

まよさん(33歳)
29歳から妊活前まで低容量ピル内服し、嚢胞はエコーではわからないくらいまでになっています。
また、エコーや子宮鏡では内膜、卵巣は問題ないと言われています。
タイミング、人工授精を2~3回トライし陰性。
体外受精(PPOS法)にて28個中15個胚盤胞になりました。
現在移植を2回実施し、1回目はhcg34(BT13)で化学流産、2回目はhcgく2.30で妊娠できませんでした。
3回目を自然周期で実施してBT8から出血しています。
TRIOなどの自費検査や抗体、免疫検査はまだしていません。
今後の方針を迷っています。
年齢、保険適応回数を考えて一度さまざまな検査をした方がいいのか、もう一度移植してみる価値があるのかご意見をお伺いしたいです。

【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●胚盤胞移植を2回実施するも、1回目は化学流産、2回目は妊娠できなかったそうです。原因としてはどのようなことが考えられますか?
移植胚の詳細がわかりませんので何とも言えませんが、一般的には胚(の染色体等)の異常が原因であることが最も考えられます。
そのほかの要因として子宮内フローラの乱れや慢性子宮内膜炎、胚移植日のずれ(いわゆる着床の窓)等が考えられます。
●TRIO検査などの自費検査や抗体、免疫検査などを受けたほうがよいと思われますか?
上記の回答から、やはり実施すべきと考えます。
胚の染色体について調べる術がない(PGT-Aなどを除いて)以上、それ以外の着床に関する要因についての精査は実施して損はないと思います。
●検査は次回の移植前に行ったほうがよいでしょうか?
移植前に実施したほうがいいと思います。
●先生ならどのような検査や治療を提案されますか?
子宮内フローラ、ERA、慢性子宮内膜炎(CD-138)、あと、単純ですが、もし実施していないのならば通水効果に期待して子宮卵管造影検査(または通水検査)も検討してもいいかもしれません。
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