【Q&A】子宮外妊娠~村田先生

やすよさん (40歳)                                      
先日、自然周期で胚盤胞移植を行い、1週間後の妊娠判定でβ-hCG6.4だったため、先生から「着床したけど化学流産だろう」との診断を受けました。
ところが、生理予定日近くに出血があったので生理3日目(妊娠判定日からちょうど1週間後)に診察を受けたところ、β-hCG69.4で10倍くらい上がり、子宮外妊娠の可能性があると言われました。
確かにいつもの生理より出血が少なかったのと、出血前から少量の不正出血がありましたが、出血4日目から出血量が増えてきました。基礎体温も高温期から下がらず36.78あたりで高いままです。
とりあえず様子見で5日後にまた血液検査を受けることになりましたが、子宮外妊娠だった場合、次の移植に影響はありますでしょうか?
また、原因は検査で分かるのでしょうか?

村田先生にお話を伺いました。

村田泰隆 先生(ARTクリニックみらい院長)
1994年 名古屋大学医学部卒業後、安城更生病院にて産婦人科全般に従事。1998年 名古屋大学付属病院にて、周産期・不妊症を専門に診療および研究。2003年 名古屋大学医学部大学院卒業後、IVF大阪クリニック・なんばクリニックにて4年にわたり体外受精年間1500周期以上の臨床経験を積む。2007年 竹内病院トヨタ不妊センター長、2010年 エンジェルベルクリニック不妊センター長を経て、2016年 ARTクリニックみらい開院。5年間で約3200例を妊娠出産に導く。個々の背景や将来の家族計画に合わせた治療を信条としている。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
■子宮外妊娠の場合、次の移植はできますか?
hCG値がなかなか低下しない場合、子宮外妊娠の可能性が高くなります。
hCGが完全に陰性化して落ち着くまで、次の移植は見送ることになるでしょう。値が上昇し続ける場合は、手術等介入が必要となる可能性があり、要注意です。停滞または下降すれば、子宮外妊娠の流産タイプであっただろう、と予測診断されることになります。
■子宮外妊娠の原因はなんですか?
子宮外妊娠は誰にでも起こりえます。
卵管に炎症、癒着がある人は起こしやすいですが、原因は特定できないことがほとんどです。
■今後の治療のアドバイスをお願いします。
一通り検査をされて不妊原因が不明ということは、ご年齢による妊娠確率の低下が考えられます。着床しないことや、残念ながら初期で流れてしまうことも多々あります。
子宮内膜や卵管に炎症・癒着がないかどうかは注意かもしれません。主治医に相談されて、調べてみられても良いと思いますよ。
辛抱強く、かつ時間効率のよい治療方針で臨むことをお勧めします。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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