ななさん(44歳)
約8年、高度な不妊治療を続けてきたため(特に最後の3年は毎月飲み薬、注射をして採卵を繰り返ししてきたため)自分自身の身体への薬の影響が今後出てこないか心配しています。
治療のおかげで2人目まで授かることができましたが、3人目治療をするか悩んでいます。
3人目欲しいのですが、44歳と高齢で、注射や薬をさらに使うことで身体への悪影響は考えられますでしょうか?
異常卵も多く、凍結で貯めておくような卵もありません。
排卵を促す薬や卵胞を育てる注射等、身体への悪影響、リスクがあれば教えてください。
井上善レディースクリニックの井上 善仁先生に伺いました。

昭和59年3月、九州大学医学部卒業。同年4月、九州大学医学部婦人科学産科学教室入局。平成20年4月、福岡大学病院准教授。平成28年7月に井上善レディースクリニックを開院。スタッフ一同が協力して良いクリニックを作っていき、一人でも多くの患者さんに満足していただけるよう努力している。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
【質問1】長期間の薬物療法が身体に与える影響について教えてください。
長期間の薬物療法は、身体に負担をかける可能性があります。特にホルモン療法では、体重の変化、気分の変動、血栓症などのリスクが考えられますが、個人差があります。また、使用する薬によっても影響は異なりますので、具体的なリスクについては主治医とよく相談し、メリットとデメリットを検討することが大切です。
【質問2】44歳での治療におけるリスクについて、先生のご意見をお聞かせください。
44歳での治療は、年齢的な要因から妊娠の成功率が低下することがあります。また、排卵誘発剤やホルモン注射などの治療は短期間であれば問題がないとされていますが、長期間続けると卵巣がんのリスクの上昇があることも報告されています。すでにお二人のお子様をお持ちとのことですので、費用も自費となることから44歳の現時点から治療を再開することは正直に申し上げてお勧め出来る事ではないと思います。
【質問3】排卵促進薬や注射の身体への影響とリスクについて詳しく教えてください。
排卵促進薬や注射は、卵巣を刺激して卵胞を発育させるために使用されますが、身体への影響やリスクも考慮する必要があります。一般的に、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という副作用があり、腹部膨満感や吐き気を伴うことがあります。また、長期間の使用は卵巣がんのリスクを高める危険性があります。ななさんの年齢や治療歴を考慮し、具体的なリスクについては主治医と相談し、最適な治療方針を決定されることをお勧めします。
【質問4】異常卵が多い場合、先生でしたらどのような治療を提案されますか?
年齢から卵子の質の低下は不可避であり、異常卵を減少させる良い方法はあまりないと思います。
【質問5】凍結胚がない場合の今後の治療方針について、先生のご意見を教えてください。
凍結胚がない場合、自然周期での採卵や、新たに治療を再開する際には身体への負担を考慮することが重要です。恐らく卵巣予備能も低いことが予想されますので採卵するとすれば低刺激での採卵になると思います。その場合、採卵個数は1〜3個までになる事がほとんどで、その中で正常な核型を持つ胚が得られる可能性はかなり低いので、妊娠が成立するまでにかなりの回数の採卵をせざるを得ないと思います。繰り返しになりますが、すでにお子様をお持ちの状況であれば、これ以上の治療をされることはあまりお勧め出来ません。