20代妊活と治療のすすめ方

卵子のコンディションも良、妊・出産の最適齢期と もいわれる 20 代。ただ妊活期間にゆとりがある分「い つでも妊娠できるから」、気になる不調があっても受 診や検査を後回しにして後悔するケースも元気な赤ちゃ んを授かるため 20 代の妊活や治療につい、佐藤一先生に教えていただきました。

 

産科婦人 舘出 佐藤病院  先生 医学博士・産婦人科専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認 定医・日本生殖医学会生殖医療専門医。2018年、体づくりができ るフィーカレディースクリニック(東京・日本橋)を開院。佐藤病院院 長・高崎ARTクリニック・Fika Ladies’ Clinic理事長を務める。専 門分野だけでなく、栄養学や抗加齢医学などの知識も深く、患者さ んにも積極的に生活習慣の改善を指導。

ドクターアドバイス

「まだ若いからが油断のもと!いつでも妊娠できる体づくりをしよう

半年間妊娠しないなら原因を見つける検査を

20代で婦人科系に問題がなければ、2〜3カ月に1回は良い卵子が排卵されているはずです。妊活を始めて半年以内に妊娠しない場合は、何か問題が隠れている可能性があります。病院を受診して一般不妊検査(ホルモン検査、子宮卵管造影検査、クラミジア検査、ヒューナーテスト、精液検査など)を積極的に受けるようにしてください。

卵管や排卵の問題をはじめ、とくに    代に多いクラミジアなどの性感染症も不妊の一因になります。また、年齢が若いことを理由に精液検査を後回しにして、後にご主人の精子に問題が見つかれば、それまでの治療時間が台無しになってしまいます。必要な検査は一通り受けることが妊娠への近道です。

また、この段階で卵巣の状態を調べる AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査が必要 かどうかは施設ごとに考え方が異なります。これから不妊治療を始める  30〜40代では、 AMH 検査は排卵誘発剤の選択や治療ス ピードを決める目安として有効です。

一方、20代ではAMH はそれほど変動しないため、検査の必要性は低いと考えています。自費検査で費用もかかりますから、不妊治療に進んでから検査を受けても遅くはありません。もちろん、プレコンセプションケアの一環として「自分の卵巣の状態を知りたい」というご希望があれば受けられてもいいでしょう。

明らかな問題がない場合はタイミング法からスタート

これから妊活を始める場合は、まずはご自身でタイミングをとられてもいいと思います。半年たっても妊娠しない時は医師に相談してください。一般不妊検査で明らかな問題がなければ、通常は一般不妊治療とよばれるタイミング法、排卵誘発法、人工授精の順に治療が進んでいきます。たとえば、タイミング法からスタートする場合は、その方の状態やご希望の治療スピードにより、同じ治療を3〜6カ月程度行った後、排卵誘発法や人工授精へのステップアップをご提案しています。

さらに、一般不妊治療を一通り行っても妊娠が成立しない時は、A R T(体外受精・顕微授精)が検討されます。また、両方の卵管が完全に詰まっていたり、ご主人の精子の状態が極端に悪い場合は、一般不妊治療を飛び越えて、最初から体外受精が必要になることもあります。近年の  A R T  は最新技術によってますます簡便な治療になり、特定不妊治療費助成制度の活用で経済的な負担も軽減できることから、    20代の若い方のなかでも  A R Tを選択するハードルは低くなってきています。

いざ「赤ちゃんが欲しい!」となってもあわてない体づくり

最近は、20 代で結婚しても経済的な理由などから「まだ子どもはつくりません」というカップルも増えています。ただ、そのなかには「避妊はしていないけれど、半年以上妊娠していない」というケースも見受けられます。

これはすでに不妊の兆候といっていいでしょう。そもそも「排卵日に合わせてセックスしないと子どもはできない」と思われがちですが、排卵日にかかわらず定期的にセックスしていれば、通常は   3 〜4カ月以内に妊娠するはずなんです。近い将来、赤ちゃんを希望されるのであれば、「まだ若いから」と、のんびり構えないほうがいいですね。

とくに鎮痛剤が必要になるほどの重い生理痛や、子宮内膜症子宮筋腫など婦人科系の既往症がある方は、早めの婦人科受診をおすすめします。また、結婚されたばかりでこれから妊活を始めたり、婦人科の診察歴がない方も、婦人科の一般検査(血液検査、子宮がん検査など)で、自分の体を確認しておくといいですね。いつでも元気な赤ちゃんを授かれるように、できれば身近な 婦人科かかりつけ医をもち、定期的なチェックを心がけましょう。

検査のタイミング

重い生理痛や婦人科系の既往症があったり、これから妊活を始める場合 は、まず婦人科検診を。すでに妊活中で半年以内に妊娠しない場合は一般 不妊検査を受けましょう。

病院の選び方

遠くの不妊専門病院を受診するのも一つですが、通いやすさも考えて、近くに かかりつけの婦人科医をもち、定期的なチェックを心がけるといいでしょう。

必要(重要)な検査

妊活を半年以上している場合は、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、ク ラミジア検査、ヒューナーテスト、精液検査など必要な検査を一通り受 けて原因をチェックしてみましょう。

治療の進め方

一般不妊検査で明らかな問題がない場合は、タイミング法、排卵誘発法人工授精、体外受精の順に徐々にステップアップ。卵管や男性側に問題が ある場合は、最初から高度不妊治療である体外受精になるケースも。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。