【Q&A】プロラクチン~蔵本先生

さかぴさん(28歳)

10月の仕事が忙しくストレスが多い時期に、妊活を始めようと、子宮がん検査や超音波検査、血液検査をした際、プロラクチンが高値だった為、下垂体腫瘍の疑いを指摘されました。大きな病院でMRIを撮ることになり、早朝安静採血をしたら、プロラクチン値は下がっており、副腎皮質ホルモンが低下しているようでした。MRIの結果でも、小結節が見えるので、検査入院をすすめられました。しかし、両親や旦那さんと話して、今まで体調不良で動けなくなることはなく、普通に生活自体は送れていた為、まずは妊活を進めてみて、またプロラクチンや下垂体の問題が出てきたら、検査入院をしようかということになりました。超音波検査からも、その時に無排卵かもと言われましたが、以降、基礎体温をずっと付けていると、きちんと二層にはなっているようで、最近では生理の遅れもなく安定しつつあります。ただ、タイミング法は現在3回目をして、失敗に終わっています。不妊治療専門のところにかかってみるのがいいのか悩みながら、金銭問題もあるので、タイミング法を続けようかしているところです。
なるべく早くに授かりたいと思っています。

蔵本先生に質問してみました。

蔵本ウイメンズクリニック 蔵本 武志 先生 久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経て、1990年オーストラリア・PIVET メディカルセンターへ留学。帰国後、1995 年蔵本ウイメンズクリニック開院。JISART(日本生殖補助医療標準化機関)理事長。久留米大学医学部臨床教授。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
高プロラクチン血症の場合は、高値になると排卵障害を伴い、不妊症となります。また、血中プロラクチン値がさらに高値になると乳汁分泌が起き、無月経になることもあります。
高プロラクチン血症は多くの原因がありますが、下垂体の腺腫(プロラクチノーマ)が最も多く、視床下部機能異常や甲状腺機能低下で起こることがあります。また、抗精神病薬を投与中に高プロラクチン血症になることがあり、場合によっては無月経となります。さらに、副腎腫で起こることもあります。
抗精神病薬を服用しておらず、血中プロラクチン値が 100 ng/ml 以上であれば、下垂体腫瘍を疑い、精査します。MRI で副腎皮質に小結節が見え、副腎皮質ホルモンが低下しているのであれば、まず、副腎の疾患がないか精査する必要があります。その後、不妊治療に入られるのが良いと思います。
2022 年 4 月より、不妊治療が保険適用となったため、経済的負担が大幅に減りました。副腎皮質の検査や、場合によっては治療が終わられましたら、不妊クリニックに通院されることをお勧め致します。また、タイミング法は 5~6 回行っても妊娠されない場合、治療のステップアップをお勧め致します。
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