【Q&A】プロラクチン~井上先生

さかぴさん(28歳)

10月の仕事が忙しくストレスが多い時期に、妊活を始めようと、子宮がん検査や超音波検査、血液検査をした際、プロラクチンが高値だった為、下垂体腫瘍の疑いを指摘されました。大きな病院でMRIを撮ることになり、早朝安静採血をしたら、プロラクチン値は下がっており、副腎皮質ホルモンが低下しているようでした。MRIの結果でも、小結節が見えるので、検査入院をすすめられました。しかし、両親や旦那さんと話して、今まで体調不良で動けなくなることはなく、普通に生活自体は送れていた為、まずは妊活を進めてみて、またプロラクチンや下垂体の問題が出てきたら、検査入院をしようかということになりました。超音波検査からも、その時に無排卵かもと言われましたが、以降、基礎体温をずっと付けていると、きちんと二層にはなっているようで、最近では生理の遅れもなく安定しつつあります。ただ、タイミング法は現在3回目をして、失敗に終わっています。不妊治療専門のところにかかってみるのがいいのか悩みながら、金銭問題もあるので、タイミング法を続けようかしているところです。
なるべく早くに授かりたいと思っています。

井上先生にお聞きしました。

井上 善仁 先生 昭和59年3月、九州大学医学部卒業。同年4月、九州大学医学部婦人科学産科学教室入局。平成20年4月、福岡大学病院准教授。平成28年7月に井上善レディースクリニックを開院。スタッフ一同が協力して良いクリニックを作っていき、一人でも多くの患者さんに満足していただけるよう努力している。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

・高プロラクチン血症は、妊活や妊娠にどのような影響がありますか?
 高プロラクチン血症は排卵障害の大きな原因です。産褥の女性が授乳している間は月経が来にくいのはこのためであり挙児希望の方の場合、本当に高プロラクチン血症であれば加療が必要です。
下垂体腫瘍が原因でプロラクチンの値が高くなっている可能性があるそうですが、プロラクチンが高値になるのは他にどんな理由が考えられますか?
 高プロラクチン血症の原因としては特発性のもの、薬剤性のもの(向精神薬で多く認められます)、妊娠に続発するもの、下垂体腫瘍によるものなどがあります。
・先生は、本格的な不妊治療を始める前に下垂体腫瘍や小結節に関する詳しい検査が必要だと思われますか?
 結節という名称で書かれているので内容が詳細不明ですが下垂体腫瘍の可能性があるのであればやはり検査入院はした方が良いと思います。ただもう一度プロラクチンを計測したら正常であったとのことで通常プロラクチン産生下垂体腫瘍であれば朝測定しても正常化することは非常に考えにくく、その結節がどのようなものを疑っているのかが分かりかねますので正確なご返事は困難です。検査をされた病院の先生ともう一度検査の必要性等についてよくご相談されることをお勧めします。
・すでにタイミング療法を3回経験されているようですが、不妊専門クリニックに転院する目安などがありましたら教えてください。
 高プロラクチン血症がないのであれば年齢も若い方のようですから通算1年はタイミング療法を続けても良いと思います。ただプロラクチンの異常があるのであれば前記のとおり加療は必要となりますので不妊専門施設を受診されても良いのではないでしょうか?
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