2人目不妊の治療中で 毎回着床に至りません。 もう諦めるべき?
相談者:いちごさん(33歳)凍結胚盤胞移植をずっとしていますが、5回連続着床しませ んでした。私には1人子どもがいますが、その子も体外受 精でできた子で、その時は体外受精2回目、ギリギリ 20 代でした。2回目の採卵は空胞が多く、2個しか正常に育た なくてそれも使い切ってしまいました。2人目の治療は3年 やっての結果。病院のカウンセラーからは「35 歳までには 何とかできそう」といわれましたが、ここまでしてもダメな ら諦めるべきでしょうか。
2人目不妊ということですが、いちごさんのようなケースはよくあることなのでしょうか。
大島先生● 20代の時に体外受精でお子さんを授かり、現在33 歳でトライしてなかなか結果が出ないというのは比較的珍しいケースかもしれません。30代後半でお1人目ができて、40歳前後で治療してもお2人目ができないという方はたまにいらっしゃいます。
採卵時、空胞が多いということはAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値がかなり低く、年齢の割に卵巣機能が悪い状態なのではないでしょうか。
AMH低値=妊娠できないと思いがちですが、年齢がまだ若い方なら卵子の質自体は良いので、卵巣機能が悪くても妊娠の可能性は十分あります。当院でも、29歳でAMH値が0という方でも、お2人お子さんを妊娠・出産したケースがあります。
5回連続着床しないということは、着床不全と考えてよいのでしょうか。
大島先生●着床する因子として一番重要なのは受精卵だといわれていますから、この方の場合はおそらく受精卵の問題ではないでしょうか。
ただし、戻した胚盤胞のグレードにもよりますね。拡張胚盤胞や完全胚盤胞で3BB以上、6日目の胚盤胞で4BB以上であれば良好胚になります。 40歳未満でこれらの良好胚を4個移植しても着床しない場合は、子宮側など受精卵以外の問題も考えられるかもしれません。
受精卵の問題であるとすれば、次の採卵ではどのような刺激法をとるのが好ましいですか。
大島先生●仮にAMH値が低かった場合、クロミッドRの飲み薬+HMGの注射という方法をとる施設が多く、当院でも試しましたが、これだと早めにLHが分泌されてしまったり、卵胞の育ちが悪く、空胞が多いこともあります。
ですので、当院では最近、HMGの注射を毎日300単位打つ刺激法に加え、生理2日目から黄体ホルモンのデュファストンRを服用する形をとっています。この方法だと早発排卵がほとんどなく、AMH低値の方でも比較的卵子の数が採れることが多いんですね。
あとはDHEAのサプリメントもおすすめです。個人差はありますが、低卵巣機能で採れる卵子の数が少ない方、なかなか良好胚ができない方がDHE Aを摂って改善されたというケースもあります。まだ卵子が採れる状態なら妊娠の可能性はあるので、前向きにチャレンジしていただきたいですね。