難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。
治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?
勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。
クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。
着床障害
妊娠が成立するまでには、様々なステップがあります。
まずは、卵巣から卵子が排卵され、卵子と精子が卵管内で出会って受精します。
受精卵は卵管内で2個、4個、8個と分裂・成長しながら子宮に向かって移動し、受精後5日ほどで胚盤胞まで成長した胚は子宮に到達し、受精後7日ほどで子宮内膜にもぐり込んで、根を張って着床します。
通常、「着床を妊娠の開始」と定義されています。
着床までの過程は複雑ですが、この過程のどこかで、なんらかの異常が起こり、胚の定着を妨げるものが着床障害です。
体外受精で、妊娠しない原因の大半は胚の問題(染色体異常や質の低下)なのですが、良質の胚を子宮に移植してもなかなか妊娠できない場合には、着床障害の可能性も考慮します。
着床障害の原因には子宮筋腫や子宮内腔ポリープ、子宮内腔癒着、子宮奇形、子宮腺筋症(子宮内膜症)、重度の卵管水腫、高プロラクチン血症、黄体機能不全、自己免疫疾患や血液凝固異常、肥満、糖代謝異常、などがあげられています。
着床障害の検査としては、超音波検査での子宮内膜の厚さの評価や子宮鏡、子宮卵管造影検査による(粘膜下)子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、などの子宮や卵管の異常、ホルモン検査(プロゲステロン、プロラクチン、甲状腺機能など)、糖代謝などの検査がおこなわれます。
異常があれば、それぞれに応じた治療法をおこないます。
不育症と着床障害が同じ原因でおこっている可能性の議論もありますが、現時点では明確な関連性は認められていません。
現時点では子宮内の検査が基本で重要とされます。
高橋 敬一先生
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