うなこさん(32歳)
①採卵で中々凍結に進まないことと、採れる卵も少ないのは、AMHが年齢的にも低いことが原因でしょうか?また、何か出来る検査があれば教えてもらいたいです
②着床不全検査で他にやっておいた方が良い検査はありますか
③20代の血液検査で人より血液が止まりにくい体質だと言われたのですが着床しにくかったり、卵が取れにくいことに何か関係はありますか?
セント・ルカ産婦人科の宇津宮 隆史先生に伺いました。

熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
32歳でAMH2.82は、それほど低いとは思えません。また、受精卵11個のうち、4個は胚盤胞まで育っているのでそれほど悪い成績とは言えません(胚盤胞率は40%が平均です)。ただ、できればもう少し多くの卵子が欲しいので、調節刺激法で卵胞15個、採卵10個を目指しましょう。それは主治医の考え方によりますが。
良好胚盤胞(3BB以上)が移植されていますので、良い胚のうち、染色体正常胚に期待しましょう。それにはPGT-Aが有効です。PGT-Aをすれば良好胚のうち、染色体正常胚は25%しかありません。この25%に期待しましょう。よって、うなこさんには次はPGT-Aがおすすめです(経済的問題はありますが)。PGT-Aを考えるなら主治医は遺伝専門医でなければなりません。
また、良好胚でも分割形式の異常がある場合があります。よって、胚の観察はタイムラプス観察が有効です。特に受精直後、2分割になるはずが3分割になったり(ダイレクト分割)、4分割から3分割に戻ったり(リバース分割)、これらは胚盤胞までは成長しますが妊娠しません。
以上より、今の段階では着床不全とは言えません。「着床不全」は便利な言葉ですが、それ以前の問題がたくさんあること、それが着床しない原因で、何も子宮に原因があるわけではないと思います。
着床不全検査と称して、いろいろ検査していますが、残念ながらこれらはすべてエビデンスがありません。フローラなど高額で検査会社が儲かるだけです。
しかし、2回流産したら不育症検査をすべきです。流産もすべて染色体検査をすべきです。時々親に原因がある場合(染色体転座など)がありますから。しかしこれもPGT-Aで解決します。
血が止まりにくいということと卵とは関係はありません。
また、サプリの中には血が止まりにくい成分が含まれていることが多いです(麻酔科が危惧しています)。しかもそれ以外、何に効くかわからない多数の成分が添加されていることが多く、中にはこのように出血傾向を増長するものも含まれています。採卵(小手術)するのでせいぜい葉酸くらいの単味のサプリを摂取するだけでよいと思います。採卵前1週間は葉酸以外は飲まないこと。採卵時の腹腔内出血が増加する危惧があります。
おそらく、うなこさんはそれらの点を理解され、回数を重ねればうまくいくと思います。