4回移植するもすべて陰性。着床のためにできることは?

相談者 :ぷーさん(31歳)
▶︎胚の染色体異常が原因でしょうか?
タイミング療法と人工授精で妊娠に至らず、体外受精へ移行しました。良好胚を3回移植するも妊娠に至らず、4回目の移植も陰性でした。子宮鏡検査やCD138検査、TRIO検査を受け、免疫系の異常はなく、ラクトバチルス0%だったため乳酸菌投与とPRP療法も行いました。胚の染色体異常が原因なのか、夫の電子タバコが胚の質に影響を与えているのかも気になっています。鍼灸治療も行ってきましたが、他にできることはありますか?
【医師監修】神谷レディースクリニック 岩見 菜々子 先生
札幌医科大学卒業。2014年より神谷レディースクリニック勤務。日本生殖医学会生殖医療専門医。日本産科婦人科学会認定専門医。日本抗加齢医学会専門医。臨床遺伝専門医。

胚の染色体異常が原因で妊娠が成立しない可能性について教えてください。

岩見先生●受精胚の染色体異常は妊娠の成立を大きく左右する要因で、正常な胚であれば半数以上が着床、継続します。31歳であれば胚のおよそ2個に1個は染色体が正常なはずですが、3回良好胚を移植しても妊娠に至っていないため、一度染色体検査を受けてみるのも一つの方法です。ご夫婦で染色体の相互転座や逆位の有無がわかり、今後の治療方針も立てやすくなります。

着床を促進するために、鍼灸以外にできることはありますか?

岩見先生●多くの検査を受けても、着床不全や不育症の原因がすべて判明するわけではないのが現状です。エビデンスとしてはまだ確立していません。以前、免疫学的検査であるTh1とTh2の比の検査を見送られているとのことですので、検討してもよいかもしれません。保険適用外の検査になりますので、実施のタイミングや施設について担当医とよくご相談ください。

精液所見が良くなかったとのことです。改善に向けた生活習慣のアドバイスをお願いします。

岩見先生●精子は熱に弱いため、サウナを控える、座っている時間を減らして適宜、立位をとる、ノートパソコンを膝に乗せないなど、精巣を高温にさらさない工夫が有効です。発熱後は採精までの期間を少し空けるとよいでしょう。精子は日々つくられるため、抗酸化作用のあるサプリメントや亜鉛の摂取も改善が期待できます。電子タバコも紙巻きタバコと同様、精子機能に悪影響を及ぼす可能性があるため、控えることをおすすめします。ストレスを介して精子機能に悪影響を及ぼす可能性もあるため、精子が入れ替わるまで約3カ月かかることから、採精の3カ月前からの見直しが理想的です。

保険診療が終わる前に行うべき、最適な治療方法を教えてください。

岩見先生●ぷーさんの保険適用の移植回数はまだ3回残っています。31歳で染色体が正常な胚の割合は約60%あり、一般的に3回の移植で約70%以上、5回で80%以上の方が妊娠に至るとされ、追加の検査をしなくても移植を重ねることで累積妊娠率は上がっていきます。ぷーさんはこれまでの検査で異常が見つからず、1回目の移植では着床という反応も得られていますので、焦らず移植を続けていくことが、妊娠率の向上につながると思いますよ。

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