【Q&A】排卵誘発剤後、高温期にならない~北村先生【医師監修】

ちぇるさん (29歳)
今回タイミング法4回目、いつもと違う心配なことが起きています。
先週7日に卵胞が20mmに育っていたので、排卵させる注射を打ちました。
なので9日には排卵予定でしたが、その後まったく体温が上がる様子がありません…
今までこんなこともなく、婦人科もお盆休みで聞けず、毎朝心配です。
注射を打っても排卵していないことはあるのでしょうか。

北村 誠司 先生に聞いてみました。

【医師監修】明大前アートクリニック 北村 誠司 先生
1987年慶應義塾大学医学部卒業。2008年荻窪病院虹クリニックを開設。退職後、2018年明大前アートクリニックを開設。1989年からIVF及び内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消、改善を積極的に図って来ました。体外受精での妊娠困難症例に対しても新しい治療法を取り入れています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
排卵を促す為にHCGを注射した後に基礎体温が上がらないのは、排卵が遅れているか卵胞が破裂しないで卵子が放出されていないケース(LUF)が考えられます。

排卵前のLH サージが起きても、排卵には個人差があり、20~50時間後に起こるくらいの幅があります。
LUF (黄体化未破裂卵胞)は、卵子が排卵しない状態で黄体化が始まります。
原因としては、子宮内膜症や炎症が考えられます。

PCOS (多嚢胞卵巣症候群)の方では、排卵しにくい状態に対してクロミッドやフェマーラといった排卵誘発剤が有効です。

卵巣表面の皮質が硬くなっていることが多いのでLUFが起こることがあります。
この場合は、HCGの注射やGnRHaの点鼻薬(自費)が有効です。
この様な対策を取り、数周期トライしても結果が出なければ、体外受精が有効になってきます。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。