【Q&A】体外受精における精子の質を上げる必要性について~向田先生【医師監修】

ゆーさん(29歳)

夫が乏精子症で、人工授精を2回行いましたが、いづれも精子の状態が悪く、ステップアップの必要があると言われました。
精子直進運動濃度が0.1??10(6) (10万)、運動率は20%です。
今後、顕微授精を考えていますが、顕微授精を行う際、現在続けている、精子の状態を良くする漢方薬や鍼灸、また食事療法を続ける必要はあるのでしょうか。
顕微授精なら精子を針で注入するので、そんなに元気でなくてもいいのでは?と思った次第です。
特に食事に気をつけることはお互いにストレスが溜まり、人工授精ほど精子の状態が重要視されないなら、食事に気をつけることをやめたいです。
鍼や漢方薬は続けるつもりです。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク 向田哲 先生 高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
精子の質を改善する必要性について

現在の精子所見であれば、人工授精等では挙児は極めて難しいため、顕微授精を行う必要性があると思います。また、女性側の要因としては29歳と若く、AMH値;4とのことですので、体外受精(顕微授精併用)のための適切な排卵誘発を行えば10個以上の卵が得られると予想され、十分な数の胚(胚盤胞)が得らえると推測されます。

現在の顕微授精は400倍から1000倍以上の倍率で良い精子を選別し顕微授精に供することが出来るため、精子の質を改善するために色々する必要はないと基本的に思われ、特にそれがストレスになっていること(食事制限)などは中止しても良いと思われます。無理のない範囲での生活習慣病に対する改善は今後の健康を考えた場合には続けても良いと思われます。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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