【Q&A】今後の治療について~浅田先生

高齢で、子宮筋腫、チョコレート嚢腫がある。

顕微授精でスピード重視の治療を進めているけど、このまま繰り返すしか方法はないの?

浅田先生に聞いてきました

浅田レディースクリニック浅田義正先生  名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
りんごさん(41歳)  37歳の時に自然妊娠にて第一子を授かり、二人目を考え始めたのが39歳の時でした。
一度妊娠しましたが、8週で流産しました。
その後自然妊娠でなかなか授からず、40歳で病院を受診し、検査の結果、顕微授精をすすめられました。
治療を開始してから、10ヶ月が経ちました。
低刺激〜中刺激で、毎月のように採卵しているのですが、採れるのが1〜4個(現在まで合計15個)、そのうち胚盤胞まで育って凍結できたのは2個になります。
やっと移植に進めたのですが、妊娠に至らず。
この繰り返しなのですが、41歳なのでスピード重視の治療を希望しています。
治療方法としては、このまま採卵&移植を続け、回数をこなすしかないのでしょうか。
他の方法はありませんでしょうか。
また私には、子宮筋腫チョコレート嚢腫があり、主人は持病(一人目出産後に発症)のため、運動率が非常に低いのですが、そう
いったことも妊娠に至らない要因でしょうか。

現在、41歳でAMHが1.51ng/mlなので、年齢の割に卵巣予備能はいいと考えられます。

二人目不妊で簡易の体外受精をされているようで、採れた卵が現在まで15個、その内、胚盤胞まで育ち凍結できたのは2個ということですが、スピード重視の治療を希望されているのであれば、なるべく1回の採卵で多くの受精卵をつくり、そのなから胚盤胞になったもの、または成長の良い卵を効率よく移植していくことが、治療の根幹になります。そのため、1回の採卵で受精卵が多くできるよう、りんごさんの予備能に見合った卵巣刺激を行う必要があります。

卵巣刺激においては、それぞれのクリニックや医師により、方法、考え方が違いますので、効率が悪くでも何度も採卵を繰り返すというクリニックもあれば、一度の採卵で多くの卵を採卵し、受精卵を多く凍結するクリニックもあります。

平均的な確率ですが、41歳であれば30~40個の卵子で、ひとりの赤ちゃんが生まれると報告されています。

また、子宮筋腫、チョコレート嚢胞があるようですが、チョコレート嚢胞があると妨げになり、採れる卵の数に影響があるかもしれません。

精子の運動率が低い点については、顕微授精を行えば全く妊娠率に影響はありません。

 

現在の卵巣刺激では、スピード重視の治療にはなっていないと思います。

スピード重視の治療を希望されるのであれば、希望に沿った調節卵巣刺激を行うクリニックで治療を行うべきだと思います。

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