【Q&A】今後の治療について~田中雄大先生

高齢で、子宮筋腫、チョコレート嚢腫がある。

顕微授精でスピード重視の治療を進めているけど、このまま繰り返すしか方法はないの?

田中先生に、聞いてみました。

メディカルパーク湘南 田中 雄大 先生 慶應義塾大学医学部卒業。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖 医学会生殖医療専門医。大和市立病院産婦人科勤務、内視鏡手術 の専門病院を目指した矢崎病院婦人科での勤務などを経て、2009年、 矢崎病院に不妊治療専門の湘南IVFクリニックを開設。その後、2012 年にメディカルパーク湘南を開設。聖マリアンナ医科大学非常勤講師。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
りんごさん(41歳) 37歳の時に自然妊娠にて第一子を授かり、二人目を考え始めたのが39歳の時でした。
一度妊娠しましたが、8週で流産しました。
その後自然妊娠でなかなか授からず、40歳で病院を受診し、検査の結果、顕微授精をすすめられました。
治療を開始してから、10ヶ月が経ちました。
低刺激〜中刺激で、毎月のように採卵しているのですが、採れるのが1〜4個(現在まで合計15個)、そのうち胚盤胞まで育って凍結できたのは2個になります。
やっと移植に進めたのですが、妊娠に至らず。
この繰り返しなのですが、41歳なのでスピード重視の治療を希望しています。
治療方法としては、このまま採卵&移植を続け、回数をこなすしかないのでしょうか。
他の方法はありませんでしょうか。
また私には、子宮筋腫チョコレート嚢腫があり、主人は持病(一人目出産後に発症)のため、運動率が非常に低いのですが、そう
いったことも妊娠に至らない要因でしょうか。

相談内容や検査データ、治療方針等を見て、どのような印象をもたれましたか?

子宮筋腫やチョコレート嚢腫が原因になってる可能性は無いのかな?と考えます。

 

現時点では不妊原因は不明とのことです。1人目は自然妊娠で授かっていますが、2人目不妊の原因としてどのようなことが考えられるでしょうか?

顕微授精が必要とのことですから、旦那さんお精液所見が一人目の時よりも悪くなっていることは間違いないのかと思います。

また、女性側の年齢も一人目の時が37歳、現在が41歳ですから、4歳上がっています。

これだけでも二人目不妊の原因として説明はついてしまいます。

更に、筋腫とチョコレート嚢腫の存在。これも無視できないと思います。

 

相談者さんは年齢的にスピード重視の治療を希望しています。先生が主治医なら、どのような検査や治療を提案されますか?

AMH値が1.51という事は、実年齢に比して卵巣年齢は3-4歳は若くておられます。

しっかり刺激をしてあげれば、1回の採卵でもう少し卵の数は取れるのではないでしょうか。

ただし、卵が取れても、胚盤胞まで行くかどうかは別です。時間が経てば経つほど到達率は低くなるので、兎に角スピードを重視して、なるべく効率よく採卵をすることです。

一方、筋腫とチョコレート嚢腫が着床の妨げになっている可能性についても、検討する必要があります。

その他、アドバイスをお願いします。

年齢は40歳を超えておられますが、卵巣年齢が若いのは光明です。とにかく1個でも多く胚盤胞を凍結して、移植の前に筋腫やチョコレート嚢腫の切除を主治医の先生と検討してみてはいかがでしょうか。

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