卵管造影検査で詰まりが発覚。今後の治療は?

卵管造影検査で卵巣の詰まり? が発覚。治療への影響は?

石原 尚徳 先生(久保みずきレディースクリニック)高知大学医学部卒業後、神戸大学医学部大学院修了。医学博士。兵庫県立成人病センター、兵庫県立こども病院の勤務を経て、2008 年より久保みずきレディースクリニック菅原記念診療所勤務。不妊治療から周産期・小児医療まで、地域に根ざした総合的なサポート体制が整う同クリニックで、不妊治療/婦人科、産科の外来を担当する。
相談者 : カムカムさん(36歳) 不妊治療3年目です。病院を変えて卵管造影検査から不妊治療をやり直しています。検査の結果、片方の卵巣が詰まっていました。8年前に左右両方の卵巣を開いて詰まりをなくす手術をし、昨年、体外受精を3回するまで問題がなくきていたので、今回の結果はショックでした。もう一度、体外受精に進み、引き続き頑張る決心はついたのですが、体外受精の際、採卵の刺激などで正常な卵巣にも膜を張りだす恐れはないのでしょうか?

「卵巣が詰まる」ことはある? 「卵管が詰まる」とは違うの?

どちらの可能性も考えられます。「卵巣の詰まり」であれば、多囊胞性卵巣症候群などが原因で、卵巣を包んでいる白膜が厚くなることがあります。そのため卵胞が破裂できず、排卵しにくくなります。「卵管の詰まり」であれば、何らかの原因によって卵管に炎症が起きて卵管が詰まり、精子や卵子が通りにくくなります。代表的な原因がクラミジア感染です。

カムカムさんは卵管造影検査で見つかったとのことですので、「卵管の詰まり」ではないでしょうか。そのうえで8年前に受けた手術が、卵管の詰まりを改善する卵管鏡下卵管形成術(FT)だとすれば、再び卵管が詰まることはあると思います。FTの有効性には個人差がありますが、一般的には術後6カ月とされています。この間にタイミング療法や人工授精をしても結果が出ない場合は、体外受精を検討することが多いです。

相談者の31 ng/mlというAMHの数値は?

31 ng/mlは見慣れない数値ですね。3.1 ng/mlか0・31 ng/mlのどちらかだと思います。3.1 ng/mlであれば、これから育ってくる卵胞が、まだ卵巣の中に残っていると考えられます。通常の卵巣刺激法で、10〜15 個の採卵をめざせると思います。0・31 ng/mlであれば、通常の卵巣刺激法をしても卵胞が育つ個数は少ないと思います。マイルド法で様子をみながら少量の注射をプラスしていくといいですね。妊娠するまでに複数回の採卵は必要になると思います。

体外受精での排卵誘発法の刺激による影響は?

本当に「卵管の詰まり」なのであれば、排卵誘発が原因で卵巣に膜を張ることはないと思います。これまでの採卵数や胚の成長率など詳しいことはわかりませんが、このまま体外受精を続けられて問題ありません。経過や結果を見て、不安に感じたことは担当の先生に遠慮せず質問されるといいですね。

また、卵管は子宮とひと続きですから、卵管が詰まっている場合は子宮内膜炎を併発していることもあります。その場合は、着床に影響することもあります。良好胚を何回移植しても妊娠に至らないようであれば、慢性子宮内膜炎や子宮内膜フローラを調べるのも一つの方法だと思います。

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