Q ウルトラロング法を すすめられましたが…
ドクターアドバイス
みうさんは、子宮内膜症「左右 14 ~ 17mm 程 度」との診断でした。
福田先生 子宮内膜症とは、子宮の内膜組織と似た組織が、卵巣や子宮の筋層部分などにでき、生理のたびに出血を繰り返す病気です。血液は外に排出されずに溜まるため、炎症や痛みを引き起こすことがあります。
子宮内膜症が左右あるとのことで、チョコレート囊胞と思われますが、大きさが 14 ~ 17mm 程度なので軽症といえます。
子宮内膜症のなかでも子宮自体が腫大してしまう子宮腺筋症のある場合は、着床障害などの影響が出る可能性があります。ただ、みうさんの場合ですと、受精卵が着床するには問題ありません。
みうさんはウルトラロング法を適応さ れたとのこと。そのメリットをお教えください。
福田先生 ウルトラロング法は、生理がこない状態を長い間つくり、そこから排卵誘発剤の投与を始めて採卵するのが特徴です。
メリットは、排卵の時期を点鼻薬や注射剤などの薬でコントロールさせるため、採卵のスケジュールが立てやすくなります。 LH が分泌されやすい人の場合には、薬でコントロールすることで卵子の質をあげることができるという特長もあります。さ らに、FSH が高い場合は、点鼻薬で下垂体ホルモンを長い間抑制することで数値を下げられるため、卵巣機能を改善できます。また長期間にわたって生理を止められるため、子宮の炎症や腫れが落ち着き、子宮内膜の状態を整えられる面もあります。
デメリットは、採卵までのスケジュールが長いという点です。また、長期間にわたっ て薬をたくさん使う点があげられます。
福田先生も治療にウルトラロング法を選 択することはありますか?
福田先生 当院では子宮内膜症だからといって即、ウルトラロング法を適応することはありません。ピルを連続投与して も FSH が高い方などに適応する場合が あります。
チョコレート囊胞は軽度なので、ロング法でもショート法でも治療は可能と考えられます。また内膜の状態を整える必要がある場合は、採卵周期に移植せず、凍結して次周期以降に移植する方法を取っています。
その他にアドバイスがありましたらお願い します。
福田先生 治療を受ける際は、医師が提案する治療方法について納得して受けることがとても大切です。医師がその治療法をすすめる理由をじっくり聞いたうえで、治療方法を相談してみるといいでしょう。