ロング法で採卵数が3個でした

松山 毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学付 属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経て、 1996年厚仁病院産婦人科を開設。日本生殖医学会生殖医療専門医。 診察が忙しい松山先生が四国を出る機会といえば、年に数回の学会に出 席する時。ちょうど本誌が発刊されるころは秋から冬にかけて参加したい学会 もいくつかあり、新たな情報を得られることをとても楽しみにしているそうです。

ロング法は、多くの 卵子が採れる誘発方法 なのでしょうか?

コケコケコッコさん(33歳)からの相談 Q.このたび、初めて顕微授精に挑みました。ロング法を行ったのですが、採卵でき る卵胞数は3つ、採卵数も3つという結果になりました。そのうち2つは未成熟卵 で、1つは7分割で新鮮胚移植をしましたが陰性に終わりました。次回は採卵数 が多くなる方法を試したいと担当医に申し出たのですが、ロング法が最も数が多 く採れることと、同じ方法でも人によってその時々で結果は動くことがあるそうで、 次回は薬の量を増やしてチャレンジすることに。ただ、この方法でいいのかどう か不安です。必ずしもロング法でたくさん採卵できるわけではないという話もあ るようです。方針を変えたほうがいいでしょうか。

ロング法について

コケコケコッコさんは、ロング法でいい結 果が出なかったことや採卵数の少なさを気に しているようです。
松山先生 ロング法は、エントリーする卵胞 の個数等を最初からコントロールしていこう という方法ともいえます。
胞状卵胞の個数を 減らしてからスタートするので、数は少なめ ですが粒ぞろいのいい卵子が出てくるともい われています。
また、月経よりも前の段階で、GnRHア ゴニスト製剤を投与開始するので、採卵日を 調整しやすいというメリットもあります。
忙 しい方にとっては、挑戦しやすい方法ではな いでしょうか。

リング法のメリット

ロング法によって採卵できる数は、一般的 には多いほうなのでしょうか。採卵数の多さ にこだわる方には、どの方法が採用されるの でしょうか。
松山先生 あくまで私の経験ですが、採卵で きる数を多い順で挙げるなら、ショート法、 アンタゴニスト法と続き、ロング法での採卵 個数はあまり多くはないような気がします。
ただ、採卵個数が多い方法が絶対に良いかと いうと、一概にそうともいえません。
経験上、 採卵個数と妊娠率は必ずしも比例しないこと も多いと思います。
ショート法やアンタゴニ スト法は、卵胞にとってのスタートラインを コントロールしないまま行うので、いくつか の卵胞が育ってもその大きさにばらつきがあ り、採取された卵子の成熟度にもばらつきが ある場合もあります。
その点、ロング法は採 卵個数は少なめでも粒ぞろいの卵子が確保さ れやすいという利点があります。

誘発法の選択

一般的には、ロング法のほかにどのような 方法で採卵することが多いのでしょうか。
松山先生 卵巣刺激の方法はいくつもあるの ですが、HMG製剤の投与量という視点から みると、理論上ではロング法よりもショート 法、ショート法よりもアンタゴニスト法のほうが 1 回の体外受精に投与するHMG製剤の 投与量が少なくて済むようです。
当院では、 主にクロミッドⓇによる低刺激法を採用する ことが多いですが、この場合 1 周期あたりH MG製剤の投与量はさらに少なめです。
どの方法が採用されるかは、ご本人の状態 はもちろんのこと、医師の考え方やポリシー にもよるので見解はさまざまです。

よりマッチした誘発法で

コケコケコッコさんのこれまでの経緯や、 再度ロング法でチャレンジすることについ て、どう思われますか。
松山先生 未成熟な卵子があったというこ とから、担当の医師が、次に成熟した卵子 を採るために何ができるかと考えたのが 1 回あたりの薬の量を増やすということなの でしょう。
私の場合でも、まず当院の標準法である低 刺激法で採卵、移植を行ってみます。
残念な がら妊娠に至らなかった場合は、その状況か ら低刺激法の範囲内で次のアレンジを考える ことにしています。
一度うまくいかなかった 場合、次にまったく違う方法を考えることも ありますが、まずは、同じ卵巣刺激法であっ ても、よりその患者さんにマッチしたと考え られる方法で、再チャレンジしてみてもよい のではないでしょうか。
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