【Q&A】卵管切除後は体外受精で妊娠可能?~松原先生【医師監修】

𝓨さん(31歳)

一度子宮外妊娠し、卵管切除後は長らく妊娠できず、2023年にようやく自然妊娠して翌年3月に出産しました。

第二子を希望し、生理のタイミングがズレたことをきっかけに2025年7月からクロミッドを処方してのタイミング法を始め、同年12月に妊娠発覚。
年始に出血し、hCGが一度下がったことや塊排出があったため流産と診断されましたが、腹痛が止まらず、検査薬も薄くならないため再度受診したら「異所性妊娠で卵管一部破裂」と診断されました。
卵管も両方失ってしまいました。

自然妊娠は不可能になりましたが、第二子をまだ諦められないのでいつか体外受精治療を始めたいと思っています。
このような場合でも体外受精なら妊娠は可能か、知りたいです。

操レディスホスピタルの松原先生に伺いました。

操レディスホスピタル 松原 寛和 先生
名古屋市立大学卒業。操レディスホスピタルでは、生殖医療部門の統括部長として、主に不妊治療を担当。医学博士。日本産科婦人科学会専門医・指導医。日本生殖医学会 生殖医療専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●卵管を両方失った場合でも体外受精で妊娠は可能でしょうか?

今回のように卵管が両方ない場合は、卵巣から排卵された卵子が卵管に取り込まれることも、卵管内で精子と出会うこともありません。そのため、体外受精を通してのみ妊娠することが可能です。体外受精では、卵子を体外で採取し、精子と受精させてできた胚を直接子宮に戻すため、卵管の機能は必要ありません。

●体外受精に進む際の治療方法やステップを教えてください。

両側卵管切除後は、体外受精が唯一の治療となるため、体外受精に向けて準備を進めていきます。当院では、採卵予定の1か月前の月経開始時に術前検査を行い、低用量ピルを1周期服用していただきます。低用量ピル服用後に月経が開始したら、排卵誘発剤(内服薬や注射)を使用し、採卵に向けて複数の卵胞を育てます。

●異所性妊娠後、体外受精を始めるまでの適切な期間と注意点を教えてください。

異所性妊娠によって両側の卵管を摘出した場合、2〜3か月の期間をあければ体外受精の準備を始めることが可能です。この期間は、手術からの回復を考慮した目安とされており、特に注意されることはありません。

●クロミッドの使用が不妊治療に与える影響について説明してください。

クロミッドの効果は、排卵を促す作用、卵胞の成熟をサポートする働きがあります。そのため、卵子の質が良くなって妊娠しやすくなる可能性があります。
また、クロミッドの副作用は、不妊治療への影響として頸管粘液が少なくなって精子が頸管を通り抜けにくくなること、子宮内膜が薄くなって着床しにくくなることがあります。これらの副作用は女性ホルモン(エストロゲン)を補充することで改善させることができます。
また、複数の卵胞が発育した場合は、まれに多胎妊娠となることがあります。

●体外受精を成功させるためのライフスタイルのアドバイスをお願いします。

1)適度な運動(ウォーキング、ジョギング、ヨガなどの有酸素運動)をしましょう。

2)良質な睡眠をとりましょう。
6~8時間睡眠が良いという報告もあります。また、良質な睡眠は、ホルモンバランスを整えて卵子の質改善にも働く可能性があります。そうは言っても、理想通りにはいかないと思いますので、できる範囲で睡眠を整えられると良いでしょう。

3)バランスのよい食事をとりましょう。
厚生労働省発行『妊娠前からはじめよう 健やかなからだづくりと食生活Book』の中で《食生活指針》として以下のように記載されています。

・妊娠前から、バランスのよい食事をしっかりとりましょう
・「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
・「主菜」を組み合わせて、たんぱく質を十分に
・不足しがちなビタミン・ミネラルを「副菜」でたっぷりと

4)ストレスを溜めすぎないようにしましょう。
ご自身でリラックスできる環境を整えられることが大切です。

 

 

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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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