治療を続けて3年、流産を経験して今後どうすべきか悩んでいます

生田 克夫 先生 名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学産科婦人科学教室助教 授、名古屋市立大学看護学部教授などの経歴を重ねたが、不妊に悩む名 古屋の方たちの役に立ちたいという思いで、教育者の立場を辞して独立。 地元・名古屋の中心部、栄に開院し、1986年から体外受精の現場を歩い てきた経験と穏やかな人柄で、数多くの患者さんを妊娠に導く。都心にある という場所柄もあるのか、同クリニックを訪れる患者さんの平均年齢は割と 高め。1カ月の治療全部が40歳代の方ということもあるそう。年齢が高くな るほど治療は難しくなるので、妊娠成立すると患者さんもスタッフもみんなで 一緒に喜び合うそうです。
かずこさん(40歳)からの投稿 Q.AMH値が高く、38歳から排卵誘発の刺激を調節しながら治療中です。1回目はロング法(フォリスチム)、2回目はフォリスチム+ガニレストで行いましたが2回とも着床せず。 3回目は刺激の少ない方法で、採卵できず。4回目はフォリスチム+HMGで、1BBの 胚盤胞を移植しましたが、7週で流産。5回目はロング法(フォリスチム+HMGフジ〈増 量〉)で8分割を2個移植したものの13週で死産。6回目は、前回の凍結胚がありまし たが、少しでも若いうちに採卵しておきたく採卵を希望。ロング法(フォリスチム+HMG フジ)で採卵し、胚盤胞を移植、着床せず。その後、凍結胚移植(5日目2AB) →着床せ ず。凍結胚移植(6日目3AA、3BBの2個移植)→ 現在 結果待ちです。 ある程度、治療を続けなければ妊娠は難しいだろうと考えてきましたが、流産と死産を経 験し、今後どう治療すればよいか悩んでいます。転院も考えており、経済的にもいつを区 切りにするか。判定日の結果を知ってから考える自信が持てず、今から考えています。 今後の治療、どうすればいいでしょうか。

刺激方法も一長一短

まずは、これまでの治療経過を見て、どのように思われますか?
生田先生 かずこさんは、妊娠はするけれど流産になっているということなので、着床しない訳ではありません。
受精しないという訳でもありません。
ただ、受精した後にいい受精卵ができる確率があまりよくないということですね。
排卵誘発はロング法が中心で、現 在も強めの刺激のロング法のようですが、5回目の治療では一度妊娠していますし、ロング法が合わないということはなさそうです。
アゴニストの点鼻スプレーをお使 いで、点鼻スプレーにより卵子の周囲を取り巻く顆粒膜細胞のアポトーシス(細胞死)が起こる頻度が高くなるという論文もありますが、これを使わないクロミフェンを使用した場合に、クロミフェンにより卵子の染色体に異常が起こる確率が高まるというデータもありますから、刺激方法も一長一短です。
あえて今の刺激法を変える必要はないと思います。

年齢による卵子の異常

今後は、どのような治療法がありますか?
生田先生 流産、死産と2回続いている反復流産が気になりますね。
おそらく胎児の染色体異常が原因だと思われますが、もし抗リン脂質抗体などの特殊な原因があれば、その治療も必要かもしれません。
一度検査されてみてはいかがでしょう。
また、 40 歳という年齢を考えると、 ある程度、卵子の異常が増えることも避けられません。
卵子のエイジングを解消できる根本的な治療法はありませんが、できる限りいい卵子が育つように、サプリメントなどの補助的な治療を加えるのも1つの手かもしれません。

サプリメントによる補助治療

具体的には、どのようなサプリメントがありますか?
生田先生 卵子の質があまりよくないということであれば、活性酸素の除去剤のようなものでビタミンC、Eなど、ビタミン系のものがあります。
また、ビタミン とフォリアミン(葉酸)を組み合わせると、遺伝子の異常を修復する作用もあると言われています。
メラトニンなども有効なものの1つですね。
たくさんあるのでどれがいいとは 一概に言えませんが、一度先生と話し合って何か試してみることをおすすめします。

移植法に変化を

転院も考えているようですが。
生田先生 これまで1回も妊娠していないなら、病院が合わないことも考えられますが、かずこさんの場合は妊娠反応が2回出ていて、今までのデータも蓄積されていますから、転院することで結果が変わるかは疑問です。
現在、凍結胚移植で卵子を2個戻して結果待ちとのことですから、それで結果が出なければ、年齢的にも二段階胚移植法を試してみてもいいのではないかと思います。
補助的な治療を含め、あらためて 先生に相談して治療を進めてみてはいかがでしょうか。
※二段階胚移植法:受精卵を移植するにあたり、初期胚を採卵後2~3日後、別の胚盤胞に至った胚を5~6日後の2回に分けて移植する方法。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。