【Q&A】不妊治療、もうあきらめるべき?~浮田祐司先生 

 

長く不妊治療を続け、それでも授からないとき、どう向き合ったらよいのか先が見えなくなりますよね。

浮田祐司先生に伺いました。

リプロダクション浮田クリニック 浮田祐司先生   兵庫医科大学付属病院、府中病院、兵庫医科大学篠山病院に勤務後、兵庫医科大学付属病院 産婦人科の助教に。英ウィメンズクリニックで不妊専門医療に携わった後、2020年開院。一般不妊治療から高度生殖医療までクオリティの高い治療を提供する県内有数の施設として、妊娠から出産まで手厚くサポート。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
チエルさん(38歳)  結婚11年。
不妊治療などしましたができず…旦那46歳、私38歳。
もう諦めたほうがいいんでしょうか?

不妊原因が不明とのことですが、不明の中にも調べることが出来ない原因も含まれています。体外受精までされているようですので、受精障害等はないと思われますが、卵子の質や精子の質の問題などは原因の一つにあげられます。

38歳の体外受精の妊娠率・出産率は?

38歳の体外受精での妊娠率は、胚移植あたりでは、34%です。

総治療数では、妊娠率が20%で、出産率は13%です。

今まで体外受精をされてこられ、たくさんの治療を経験されたものと推測します。しかし、今現在の治療していない期間が良い方向に向かう可能性もありますので、今後の治療方針としては、卵子の質の改善を目的とした体質改善などを取り入れた上での体外受精をお勧めします。

また、旦那さんの精子の質に関してもサプリメントや運動等を取り入れ、意識されるのもいいかもしれません。

月経量が増えている事について

月経量が増加する原因としては、婦人科疾患では、子宮筋腫や子宮腺筋症があげられます。

もしこれらの疾患をお持ちの場合は不妊症との関連があるかもしれません。あれば、手術が必要ではない場合は早期に再度不妊治療をお勧めします。

妊娠期間中には月経はありませんので、妊娠が一番の治療であると思います。

不妊治療を諦めることについて

不妊治療を諦めた方がいいかどうかですが、これは大変難しく、デリケートな問題だと思います。

不妊症は病気ではありません。そのため、最終的な決断はご夫婦がされることになります。しかし、【諦めた方がいいのでしょうか】と今回質問を下さったことを考えると、少なからず再度治療をしてみようかな、という気持ちをお持ちなのではないでしょうか。

もし、再度治療をされるようでしたら、納得できる治療をするために、担当の先生に【ご夫婦の思い】を伝えられるのはどうでしょうか。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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