【用語集】クラインフェルター症候群

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。

治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?

勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。

クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

クラインフェルター症候群

男性にみられる性染色体異常疾患の一つ。

X染色体の数的・ 構造的異常が原因とされ、発生頻度は出生男児500人に1人。

通常、男性の性染色体はX染色体とY染色体が1本ずつ。

ところがクラインフェルター症候群では、X染色体が2本 以上となり、X染色体数が多いほど重症です。大半は1本 多いXXYという形をとります。

背が高くやせ型、手足が長いといった外見的な特徴はあり ますが、際立った異常は見られないため、本人も気づかずに 成人に至ることが多いようです。

精巣の成熟障害により陰嚢は萎縮し、テストステロンの産生 不全を認めます。

それにより女性化乳房、性欲低下などを生じ ることもあります。

通常、性生活に問題は生じませんが、無精 子症や高度乏精子症のため、自然妊娠は困難となります

。精巣内に精子が認められる場合もあることがわかり、体外受精顕微授精により子どもを授かる可能性が出てきました。

なお、こ の疾患が子どもに伝わる可能性は非常に低いといわれます。

田中 宏明 先生

田中 宏明 先生 聖マリアンナ医科大学卒業。慶應義塾大学医学部産婦人科 学教室入局。慶應義塾大学病院、東京歯科大学市川総合病 院リプロダクションセンター、海老名総合病院などで約 25年間にわたり不妊および周産期医療に携わる。医学博 士(大阪医科大学)、日本産科婦人科学会認定専門医。
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