採卵は急ぐ?待つ? 顕微授精への ベストタイミングは?

相談者 :くもちゃん さん(39歳)
▶︎次回採卵までの適切な間隔は?
20代から月経痛があり、30~36歳までピルを服用して周期は安定していましたが、月経前の腹痛や排便痛が気になっています。人工授精5回後に体外受精へ進み、初回採卵で6個採れましたが、凍結胚は得られませんでした。次回は約2カ月後に採卵、顕微授精を予定しています。年齢を考えると少しでも早く採卵したい一方、体を整えてから臨むべきか悩んでいます。次の採卵までの適切な間隔や、保険診療内で妊娠を目指すための考え方を教えてください。
【医師監修】臼井医院(亀有本院) 臼井彰 先生
東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995年より現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。

次の採卵まで、どのくらいの間隔を空けるのが理想的でしょうか?

臼井先生●年齢を考えると急ぎたいお気持ちはよくわかりますが、採卵直後の卵巣はホルモン刺激によって腫れており、卵巣機能の回復には時間が必要です。一般的には、月経を1、2回挟んで次の採卵に臨みます。
くもちゃんさんは月経前の腹痛や排便痛も気になっているとのことですので、子宮内膜症や排卵痛の関与がないかも一度確認しておくとよいでしょう。急ぐよりも、卵巣の状態を整えたうえで臨むほうが、結果的に良い卵子を得やすくなります。

受精胚が得られなかった原因はどのようなことが考えられますか?また、2カ月後に採卵する場合のメリット・デメリットを教えてください。

臼井先生●6個採卵できたにもかかわらず凍結胚が得られなかった背景には、卵子の質や、受精方法との相性が影響している可能性があります。今回は通常の体外受精だったかと思いますが、次回予定されている顕微授精に切り替えることで、受精率自体は改善が期待できます。
2カ月後に採卵する場合のメリットは、年齢を考慮して早く次のチャンスに臨める点です。一方デメリットとしては、前回の採卵から間隔が短いため、卵巣の回復や、月経前の腹痛の原因精査が十分でないまま次の周期に入ってしまう可能性があげられます。超音波検査やホルモン検査などで体の状態を確認したうえで、問題がなければ次の採卵を目指すのが現実的だと思います。

良い卵子を採取するためには、どのような準備をすればよいでしょうか?

臼井先生●すでに葉酸やビタミンD、亜鉛、鉄、たんぱく質を意識して摂取されているのは良い取り組みです。加えて、卵子の質に影響する酸化ストレスを減らすために、十分な睡眠と規則正しい生活リズムを心がけること、急激な体重変動を避け、適度な運動を継続することも大切です。
月経前の腹痛や排便痛については、子宮内膜症などが背景にある可能性も考えられるため、次の採卵周期に入る前に婦人科的な評価を受けておくと安心です。顕微授精は精子を卵子に直接注入する方法ですが、それでも卵子自体の質が受精後の発育に影響しますので、周期を急ぐよりも、1~2周期かけて体調とホルモンバランスを整えたうえで臨むことを、おすすめしたいと思います。

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