pontaさん(41歳)
採卵2回目に良好な胚盤胞を1個凍結できましたが、1回目と3回目は凍結0個でした。
PPOS法が合っていないということでしょうか?
また、ミニマル法からPPOS法に戻したのはどのような理由が考えられますか?
今後もこのクリニックで治療を続けていいのか、転院する際にクリニックの腕がいいかはどこで判断すればいいのか、アドバイスをお願いします。
井上先生にお聞きしました。
【医師監修】井上 善仁 先生 昭和59年3月、九州大学医学部卒業。同年4月、九州大学医学部婦人科学産科学教室入局。平成20年4月、福岡大学病院准教授。平成28年7月に井上善レディースクリニックを開院。スタッフ一同が協力して良いクリニックを作っていき、一人でも多くの患者さんに満足していただけるよう努力している。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
一般的に体外受精・顕微授精で卵巣刺激を行う場合、AMH値や刺激開始時の胞状卵胞数(超音波で卵巣の中に存在する4~10mmの卵胞の総数)によって沢山の卵胞がある場合やAMHが高い場合には高刺激(PPOS法、GnRHアンタゴニスト法、short法、Long法など)で刺激し、AMH値が低い場合や胞状卵胞数が少ない場合は低刺激(クロミッド法など)で行うことが多いと思います。pontaさんのAMHは1.01ng/mLとあまり高くはないのですが、もし開始時に多めの胞状卵胞があればPPOS法を選択する可能性はあります。
ただ初回の採卵では採卵数が1個とのことで、どの程度の胞状卵胞数があったかは不明です。
PPOSは最近の「はやり」でもあるので実施している施設は非常に多いです。初回の採卵で採卵数が少なかったため、2回目は低刺激で行ったのではないかと想像します。3回目に再度PPOS法を選択したのはやはり胞状卵胞数がある程度あったからではないかと思います。それで6個の採卵ができたのでしょう。
PPOS法がその患者さんに合ってるかどうかを判断することは非常に困難です。最初の採卵では採卵数が1個なのでそれが凍結できる良好胚に至らないことは比較的高い頻度で生じることだと思います。しかし3回目は6個で凍結胚ゼロですから「なぜかなあ」とは思います。理由を明確にすることはかなり難しいことです。

今後の治療方針については、まず現在凍結されている胚盤胞を移植されることをお勧めします。良好な胚盤胞ですから妊娠の可能性は十分あると思います。それで妊娠されない場合、私なら低刺激での採卵をするだろうと思います。
また3回目の結果が不良であったことから精子選別法をPICSIやレンズフック等のより厳密な方法に変更することも有効かも知れません。ただ精液検査の結果を拝見すると、かなり運動率が低いようですからこれらの方法が実施できるかどうかは当日の精液所見次第によっての判断になると思います。
クリニック選びの際、一般的にはその施設が報告している症例数、治療の結果としての妊娠率や生産率を確認するくらいしかないと思います。こども家庭庁のHPに各施設の情報が掲載されていると思いますのでご確認されてみて下さい。只数字だけではない、医師のキャラクターやスタッフの対応などで治療を受ける患者さんの治療に対するモチベーションも多大な影響を受けますので、クチコミの確認などで自分にあった施設を選ぶものありかなと思います。