【Q&A】生理日の判断について~政井先生

生理の具合がいつもと違う…ホルモンバランスのせいでしょうか?

気になりますね…

政井先生にお聞きしました。

政井 哲兵 先生 鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
いなみんさん(42歳)4〜5年くらい前から生理がおかしく、うすいピンクの出血があり1日目と判断していました。
その後2日目も出血が少なく、3日、4日目に出血が多くなる傾向でした。
それが今年に入り、来たなと思うと4日間くらい少しずつ出血していて、5日、6日目に急に出血が多くなります。
実際多いのが1日で後はまた少なくなり終わります。
ホルモンバランスは悪くないと言われましたが、どこがおかしいのでしょうか。
妊娠できないのもこれが原因でしょうか。
佐久平エンゼルクリニック 院長の政井です。
この度はご質問をお寄せいただきありがとうございました。

月経の開始日の判断についてですが、月経は前周期の内膜がはがれたものが、出血とともに子宮外へ排出される現象になります。

前周期の内膜の厚さが厚いと月経で排出される量が多くなるので、経血量が多くなり、また、子宮内腔にある程度はがれた内膜と血液が溜まったものが子宮口から腟に排出されてきますが、子宮内腔の容積(月経血が溜まるスペース)が大きければ子宮口から排出されてくるのに時間がかかったり、また月経血を排出するための子宮の収縮力(この力が強いといわゆる生理痛が重いということになります)の強さによっても変わってくるかと思います。子宮の容積は常に一定なので毎月変わることはありませんが、子宮の収縮力(月ごとに月経痛が強かったり軽かったり)や前周期の内膜の厚さ(月経血の量)は月ごとに変わることがあってもおかしくはないと思われます。
ちなみに、3,4日目に出血が多くなる、5,6日目に出血が多くなるという違いも、その月ごとの月経血の量(はがれる内膜の厚さ)や、その月の子宮収縮力(月経痛の強さ)によって変わる要素ではあるかと思うので、必ずしも異常ということではありませんので、過剰に心配なさる必要はないかと思います。
また、実際のところは、月経が始まったと認識する(生理初日)のは目で見て経血が出ているのが認識できた日となりますが、実際の内膜がはがれて子宮内を月経血が満たしている状態になるのはそれより1,2日前という感じになります。実際は子宮の中ではすでに月経が始まっていても、これが経血として出てきて月経開始と認識できるのが1、2日後ろにずれるということです。このようなタイムラグは一般的に起こり得ることでそれ自体は異常ということではないと思われます。

体外受精をされる場合は、月経血から得られる情報よりもむしろ卵巣の状態(胞状卵胞数)、ホルモン値などから得られる情報が重要になりますので、月経の状況を過剰に心配しなくても大丈夫ではないかと思います。

妊娠に至らない原因、今後について正直なところでいうと年齢による影響(卵子の質の問題)はあると思いますし、またご主人の情報がないのでなんとも言えませんが、精子側の要因も関係してくると思います。(男性の精子も卵子程ではないと言われていますが、加齢の影響を受けるとされています)今後の治療についてはできるだけリラックスしたおおらかな気持ちで臨んでいただいて、悔いのない納得のいく治療に臨んでいただけたらと
願っています。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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