【Q&A】無精子症、胚盤胞が育たない~宇津宮先生【医師監修】

みらのすけさん(36歳)

無精子症で1人目は顕微授精-胚移植3回目で出産に至り、現在2人目の不妊治療をしております。
採卵2回、移植3回しましたが、1回目の移植は子宮外妊娠、2.3回目は陰性でした。採卵で15個ほど取れても胚盤胞まで到達できるのが1-2個しかありません。
2人目の治療はやはり年齢も重ねているので採卵数も胚盤胞到達率も減ってきているように感じます。
無精子症の顕微授精の場合、やはり胚盤胞への到達率や着床率は低いのでしょうか?
1人目を出産できているので、このまま採卵・移植を続ける方針で問題ないのでしょうか?
また地元の不妊治療施設では先進医療などは受けられないのですが、このままで良いのでしょか?

宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

【医師監修】セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

みらのすけさんはすでに一人、ART(ICSI)で子供さんを得られていますので、基本的な知識は十分と思います。AMHも2くらいで、まだまだ希望があります。精子は閉塞性ですので、基本的に質は通常の精子と変わりありません。しかし、閉塞後の期間によっては精子の質が低下することもあり、それは現在の状態を見なければなりません。よって、胚盤胞到達率や着床率は通常のICSIの結果と同じで、卵子の質や精子の質に左右されます。

その中でも女性の年齢は大きな因子になります。36歳ですので、もうその影響は出ていると思います。35歳以上では人によっては半年ごとに卵子の質が低下するのがはっきり見える方もいます。よって35歳以上では3ヵ月以上空けることなく治療を進めることをお勧めします。

自費診療が可能であるなら、やはりPGT-Aでしょう。外見が綺麗な胚盤胞でも染色体の正常な胚は全患者では25%です。PGT-Aで染色体異常胚を除去して正常胚を移植すれば妊娠率70%、流産率10%と、夢のような成績が得られます。みらのすけさんが36歳であるなら、染色体正常胚は10-20%と思います。

PGT-Aは、染色体異常胚を排除するのでむしろ、無駄な移植(妊娠しない移植、流産になる移植)が避けられ、早い正常胚移植、妊娠、分娩につながり、さらに第3子も視野に入ってきます。

先進医療では、フローラ検査、EMMA、ALICE検査、2段階移植、SEET法、スクラッチ法IMSIなどありますが、これらすべていまだ、エビデンスはありません。JISARTでも10年前から取り組んでいますが、いまだに有意差は出ていません。当院はエビデンスのない検査、治療は避けていますのでそれらに対するアドバイスはありません。

タイムラプスは勧められます。

みらのすけさんは今は躊躇することなく、治療を進める時期と思います。あと2-3年すれば(1-2年かも?)もっと精子も卵子も質が低下しているでしょう。今はまだ15個も卵子が取れ、実績もありますから先行きは明るいと思います。

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