いただいた情報によると、依頼者さまが手術で摘出されたのは左卵管のみで、卵巣は両側とも残っているんですよね。その前提で回答します。排卵が左右の卵巣から均等に起きるとすれば、半分の排卵は左卵巣、卵管のない側から起きることになります。稀に反対側の卵管に卵子が回収されることもあるようですが、一般的には卵管がある側の卵巣から排卵が起きる周期にしか妊娠の期待はできないのではないでしょうか。ですので大まかに言って両側卵管が正常な方に比しておよそ半分くらいと考えてよいのではないでしょうか。
●クラミジア既往歴が不妊に与える影響について教えてください。
クラミジア感染症は卵管狭窄や閉塞、さらには卵管周囲癒着を引き起こすことがあり、不妊症と深いかかわりをもった感染症といえます。このためできる限り早期に発見し治療することが肝要です。

●カンジタ膣炎が妊娠に及ぼす影響について教えてください。
カンジダ腟炎はクラミジアのような器質的な問題を引き起こして不妊症の要因となることはありませんが、腟内の細菌叢を乱すことにつながるため、しっかりと治療しておく必要があるといえます。外陰が腫れたり、強い搔痒(かゆみ)帯下の増量等がありますから、日用生活の上でも不都合が多くなります。
●子宮外妊娠や流産のリスクを下げる方法についてアドバイスをお願いします。
子宮外妊娠や流産については具体的にそれを避けることのできる完
全な方法はありません。体外受精―
胚移植のように卵管を介さないプロセスで成立した妊娠の場合でも
子宮外妊娠を起こすことがありますし両側の卵管を切除した方であ
っても頸菅妊娠(子宮内腔でなく、
子宮口近くに着床してしまう妊娠)や卵菅角部(
子宮から卵管に移行する部分、)での妊娠もいわゆる「
子宮外妊娠」となり妊娠の継続は不可能ですし、
着床前染色体異数性検査(PGT-A)
などの着床前診断を行ったところで流産が0になることはありませ
ん。あればわたしも参考にしたいです。
●さゆさんにとっての最適な妊活の進め方として、先生からの提案を聞かせてください。
子宮内膜症をずいぶん前から治療されているようです。この疾患は基本的には月経のたびに進行する厄介なものです。したがって手術で完治することは残念ながらありません。内服薬で月経を止めていた時期は進行は少なかったかもしれませんが、妊活を再開すれば月経が戻り、子宮内膜症が再燃してくることが予想されます。また、妊娠の可能性を確実に下げる要因は「加齢」です。時間がたてばたつほど卵の質に影響します。やはり一定期間ご自身たちでの妊活で結果が出ないのであれば、医療機関を受診していただいて妊娠しない原因とその状態を整理して、それに合った解決策を見出していくのがいいのではないでしょうか。