【Q&A】顕微授精が必須度合いを相談したいです。~浅田先生【医師監修】

もちさん (34歳)
私34歳、夫36歳です。私に卵巣チョコレート嚢胞(2cm)と子宮筋腫があり、1年半ジエノゲストを飲んで治療していました。(2024.3月から休薬)子宮内膜症の痛みが強く、ジエノゲストを飲む前の生活もままならないほどで性交が難しいと予想されるため、最初から体外受精になりました。体外受精スタートのため、私の血液検査のみで卵管造影検査等はしていません。
夫の精液検査ではHDSが悪いため顕微授精を推奨される結果でした。通院先のHDSの基準が15%未満はA、15%以上はDで、夫は15.68%だったので顕微授精推奨なのですが、0.68%多いのは顕微授精じゃないと厳しい数値でしょうか?
顕微授精は安全と言われていますが、自閉症リスク等気になってしまうので、可能であればふりかけ法にしたいと思っているのですが、どうしようか迷っています。お忙しいところ恐縮ですが、教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

精子の質や抗酸化力を調べるDFI検査をされていますが、アメリカの生殖医学会は“DFI検査は、いまだに実験段階で臨床的有用性がはっきりしない”と明言しています。そのため、顕微授精をしなければならない理由として“精子の数がある程度あり、HDSが良くないから”というのは間違っています。一部の泌尿器科の医師は、精子しか診ていないので色々なことを言いますが、実際の臨床においてもDFI検査は、今のところ役立つ検査ではありません。
また、顕微授精で自閉症のリスクを心配されていますが、私が顕微授精をはじめたのは30年程前ですが、その後、世の中全体で自閉症に関連することを“スペクトラム”として捉えて論じる風潮がありました。その時には不妊治療以外でも、あらゆる治療法が自閉症に関連するのではないか、と言われていましたが、現在に至るまでにそのようなエビデンスは確認されていません。
顕微授精や体外受精は、技術による特有の障害は発生しないということは明確にされていますので、いまだにそのような心配をされる方がいることに驚いています。
卵管造影検査を受けてないということですが、体外受精を行うために卵管造影検査は必要ありませんが、卵管に水が溜まっていたりするとその処置は必要になります。また、子宮内膜症がひどいようですが、ジエノゲストで治療しても妊娠率が高くなるということはありません。治療をして日常生活に影響が無くなるなら治療はすべきですが、妊娠を望むのであればジエノゲスト等を使用して治療をしていくことは、単に妊娠までの時間を引き延ばしているだけで、妊娠率を向上させるものではありません。ましてやチョコレート嚢胞の手術をすることになれば、卵巣予備能が1.73 ng/mlと低いので、卵巣予備能はさらに低くなります。子宮筋腫も大きくなれば、子宮内膜の着床の部位に影響が出る可能性もあり、不妊治療に影響があるので、早めに体外受精をしていただきたいと思います。
漢方やサプリメントも色々服用されていますが、葉酸は生まれてくる赤ちゃんの神経系の奇形を予防する効果はあります。しかし、その他のサプリメント等で、妊娠に影響を与えるエビデンスはなく、葉酸を含めて妊娠率を向上させるサプリメントはありません。
正しい不妊治療を行うためにはある程度のお金が必要ですが、そのお金は、妊娠率をあげるため、本当に必要なことに使用して、早く結果を出してほしいと思います。クリニックにより、卵巣刺激や採卵、移植、受精操作、培養等のレベルは大きく違います。そのため、結果がでなければクリニックをステップアップすることも考えてください。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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