採卵周期後のお休み期間について

卵巣を休ませている期間中の過ごし方について

相談者 :みみさん(29歳)先日、採卵を終え、慢性子宮内膜炎の検査のために初期胚は移植せず、1 周期お休みです。検査のための内膜採取が終わり、医師から生理5 日目からプレマリン®を10 日間、その後プレマリン®+ルトラール®を10 日間飲むように指示がありました。ですが、それを服用すると「次周期に排卵しない」という話もどこかで聞きました。休み中、自己流タイミングをとろうと思っていたので、残念。卵巣を休ませるためにも服用したほうがいいでしょうか。
福田ウイメンズクリニック 福田 勝 先生 順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦人科学教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経て、1993 年福田ウイメンズクリニック開院。2018 年10 月に、より最寄り駅に近く、広々とした場所にクリニックを移転しました。

慢性子宮内膜炎とはどんな病気でしょうか。また、みみさんは慢性子宮内膜炎の検査を受けていますが、どんな検査ですか。

福田先生●慢性子宮内膜炎とは、子宮内膜に軽い炎症がずっと起こっている病気です。妊娠初期の流産や着床不全を引き起こす可能性があるといわれています。検査の方法はいくつかあり、医療機関によってやり方が異なります。

ちなみに当院では、ALICE 検査という方法で行っています。これは、子宮内膜を少し採取して専門の機関で検査。そうすることで炎症を起こしている原因菌を検出でき、最適な薬(抗生物質)と治療方法がわかるものです。検査結果が出るまでおおよそ2週間程度かかります。この検査は保険適用外で先進医療のため自費となります。

みみさんが処方されたプレマリンRとルトラールRはどんな薬でしょうか。

福田先生●卵巣から分泌され月経周期を作っている女性ホルモンで卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の薬剤です。エストロゲンがプレマリンR、プロゲステロンがルトラールRにあたります。

これらを用いた治療は通常、排卵障害の患者様に対して行われることがありますが、生殖補助医療では採卵周期前に卵巣を休ませる目的で使われることがあります。

採卵を休む間、自分でタイミングをとろうと思ったけれど、プレマリンRとルトラールRを服用した後、排卵しないと思っているようですが…。

福田先生●プレマリンRとルトラールRを服薬した周期はもちろん排卵はありませんが、次の周期は排卵しますのでタイミングをとられたらよいと思います。

生殖補助医療ではプレマリンRとルトラールRを用いたカウフマン療法以外としては、一定期間、低用量ピルを服用し、卵巣を休ませる方法があります。

話を元に戻すと、プレマリンRとルトラールRを服用すると「次周期に排卵しない」ことはないので、ご夫婦がOK ならタイミングをとってみるのもいいでしょう。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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