【Q&A】シリンジ法と卵管造影検査について~政井先生【医師監修】

みちこさん(35歳)

夫との関係は良いもののセックスレスのため、家庭でシリンジ法を試してみたいと思ってます。
お医者さんからみて、シリンジ法は試してもよいものでしょうか?
キットをネット購入することになると思いますが、専門家の方の説明をみて、安全でない、危険があるということなら、試すのをやめたいと思っています。
それと、お恥ずかしい話ですが、卵管造影検査を受けると思うと気が重くなり、吐き気がして、涙もでてきます。
不妊治療の検査は卵管造影検査以外すべて終わりました。
私が通っているクリニックでは、すべての検査が終わってから結果を患者に知らせる方針なので、卵管造影検査以外は今まで受けた検査結果を教えることはしていない、と言われました。
もともと、夫の勃起不全により治療を開始しました。
夫婦でクリニックに行っても、私だけカウンセリングに呼ばれ、夫の状態も私が説明しました。
夫は精液検査と血液検査のみで、問題ないとすぐに伝えられました。性交の際に勃起不全になるだけで、精液検査はできるからだそうです。
毎回女性は検査ばかりで、嫌気がさしてきました。
ドクターも「排卵してますね!今日は性交できなかったの?」と毎回聞いてきます。
夫の勃起不全で1回も性交したことないと毎回説明してます。
一人ひとりの状態に向き合う時間はないのかもしれませんが、一通りの検は䛿終わって、あと一歩で検査終了のタイミングで、嫌になってきました。
卵管造影検査は油性のものだそうです。ネットで調べたら痛いとのことで、正直夫に問題があるのに、女性だけ痛い検査をされる現状に嫌気がさしてきました。
卵管造影検査を受けなければ、不妊治療できないですか?

政井先生にお聞きしました。

【医師監修】佐久平エンゼルクリニック 政井 哲兵 先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

シリンジ法について各社から様々なデバイスが販売されていますが、品質保証認定(いわゆるISO)を取得している会社や、医療機器製造承認許可を得ているような業者さんが製造する製品を選んでいただけると安心かと思われます。

卵管造影検査についてドクターごとにいろいろな考え方があると思いますが、わたしの考えは、卵管造影なしでもよいかと思います。
卵管造影なしで、これまで通りの不妊治療(シリンジ法)を続けてみていただいて、もし妊娠しない状況が続くようであれば、卵管も一つの原因の可能性として候補に挙げてみる、その時点で卵管造影検査を受ける、受けないを改めて相談してみる、というやり方でもよいように思います。

不妊症の原因は、仮にすべての検査を網羅的に行ったとしても約30%ぐらいの割合で原因不明不妊といって、検査では原因が特定できない方もおられます。
卵管因子は不妊原因が特定できる数少ない原因の一つではありますが、仮に卵管がOKとなっても、じゃあ妊娠できることが保証されるかというとそういう訳ではありません。
原因を特定することが重要なのではなくて、妊娠をすることが目的であるとしたら、治療から離れることなく、まずはコンスタントに治療を続けていくことが重要になります。
患者様自身が前向きになれない検査や治療は必ずしも良い結果につながるものではないというのが私の考えです。
造影剤の油性、水性について、最近は比較的水性の造影剤を使う施設が多いと思います。
油性造影剤は卵管造影後の妊娠率が高いなどの意見はありますが、体内に残りやすい(吸収されにくいので)、塞栓症のリスクが水性に比べて高いなどの報告があります。
最近は、取り扱いのしやすさなどから、水性造影剤を使う施設が多いと思います。
(上記理由から当院でも水性造影剤を使っています)
不妊治療はやはり二人の温度感、見ている方向性が同じであることが必要です。
また、その性格上どうしても女性の側に検査、治療の負担がかかる状況は否めません。
幸い、相談者様は夫婦関係は良いということなので、今一度二人が進めたい妊活についての考え方や不妊治療の目的についてご夫婦で相談する時間をとってもよいように思います。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。