【Q&A】化学流産~向田先生【医師監修】

Mさん(34歳)

ホルモン補充による凍結胚移植を二度行いましたが、どちらも着床はしたもののすぐに化学流産しました。
きちんと成長して妊娠、出産するために次に行えることや、普段の生活で気を付けることにアドバイスがあれば教えて欲しいです。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク 向田哲 先生 高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
34歳でART医療を受けて、2回化学流産になったとのことですが、まだ余剰胚盤胞があるのでしょうか?

その場合であれば、次はホルモン補充周期での移植ではなく、排卵を確認後移植する方法に変えると排卵後の黄体形成が着床環境をより高めてくれるため有効である場合が数多く見られます。
またその場合免疫的な問題の検索のため、Th1/Th2、NK細胞活性などのチェックも行い、異常があれば免疫的な要因での初期流産を回避するためにタクロリムス投与、イントラリピッド療法、その他の流産対策処方が有効な場合があります。

新たに採卵からの場合であれば、AMH値が40歳過ぎのレベルとのことですのでルトラール併用しhMG300単位から450単位連日投与を用いるPPOSと呼ばれる積極的誘発法を施行することで10から15個以上の卵を得るようにし、形態良好な胚盤胞が得られたら、3個程度にPGT-Aも加えて、胚側の要因による流産リスクを回避することも可能となります。

日常生活では、適度な運動で血流を改善し、抗酸化剤などのサプリも併用し、冷え性気味でしたら、移植前後の血流改善のため、生殖医療にも精通した鍼灸専門家に移植前後に施術を受けるのも有効な場合があります。
上記の治療を年間800-1000件以上の採卵症例を扱うART医療専門の施設で受けることが、症例経験という面からも重要です。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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