夫婦とも異常がない不妊治療

3つの医療機関での不妊治療を経て、見つけた未来 夫婦とも異常がない不妊治療との闘い。

「頭で考えることをやめて体の声を聴こう」 漢方サロンとの出合いで新しい自分に。

「彼の子どもが欲しい。時間がない」 その一心で突き進んだ不妊治療の末、自分の感覚を 信じて方向転換。

フッと心の力がゆるんだ時、 自然と赤ちゃんがやってきてくれました。

結婚と同時に治療を開始 「原因不明不妊」と診断

「ずっと、お母さんになるのが 夢だったんです」
 
現在1歳5カ月のゆりかちゃ んの子育てに夢中の山本ちひろ さん( 33 歳)。その眼差しは喜 びと優しさにあふれています。 でも、命を授かるまでの4年間 は、行き場のない思いを抱えな がらの葛藤の日々でした。


 
子どもが大好きで、保育士と して活躍していたちひろさん。 高校の同級生だったご主人とは 結婚を前提に交際。「結婚した らすぐ子どもが欲しい!」と 思っていたちひろさんは、普段 から生理痛がひどかったこともあり、結婚の1年ほど前から婦 人科を受診していました。検査 では、子宮内膜症であることが わかり、生理痛の原因もそのた めかもしれないとのこと。ただ、 治療が必要なほどではなく、経 過観察という診断でした。
 
その時、「私は赤ちゃんがで きにくいかも」と感じたちひ ろさん。 29 歳で結婚と同時に、 通っていた産婦人科で治療を 開始。最初の半年はタイミン グ法を行っていましたが妊娠 には至らず、半年で区切りを つけ排卵誘発剤やホルモン剤 を使った治療へ。

「女性は卵巣年齢もあります し、子宮内膜症のことも心配で、 早くしなきゃ、何かしなきゃと焦っていました」
 
さらに専門的な治療をと、 ちひろさんは不妊治療専門の クリニックに転院することに。 そこでもタイミング法、排卵 誘発と進み、今度は人工授精 にも数回チャレンジ。しかし 妊娠には至らず、落ち込んで いくばかりでした。
 
そんな時、ご主人の転勤が決 まり、福岡へ引っ越すことに。 京都で生まれ育ち、一度も地元 を出たことのなかったちひろさ ん。不安もいっぱいでしたが、 決意を新たに、「今度こそ!」 と福岡で有名な不妊専門クリ ニックを見つけ、治療を再開。 タイミング法から段階を踏んで 人工授精へチャレンジ。しかしよい結果は得られず、2回目、 そして3回目も不成功となった 時、ちひろさんは、すっかり気 力を失ってしまいました。

「私も主人も検査では何も異常 はなく、“原因不明不妊”と医 師からもさじを投げられたよう で、どうしていいかわからなく なりました。原因があれば解決 策を探れるけど、わからないの がもどかしい。その頃には子宮 内膜症も改善していたので、余 計に悶々として。体外受精もす すめられましたが、もっとほか にできることがあるのではない かと、踏み出せませんでした」
 
すでに3年を過ぎた治療生 活。そのストレスは女性だけ ではないはず。隣で穏やかに 笑うご主人に当時の心境を伺 うと、「いえいえ、女性の大変 さに比べたら僕なんて全然で
す」という言葉。

「ね、優しいでしょう?いつ も協力的で優しくて。だから 余計に、彼の子どもを産みた い、悲しまないで前を向かな きゃと思いました」

心をふっと軽くしてくれた 漢方サロンとの出合い

これまでとまったく違うこと をやってみよう―。ちひろさん は、思い切って、考えを切り替 えることに。そして、インター ネットで情報を検索していた 時、ちひろさんのアンテナに ヒットしたのが、「不妊」に特化 した漢方・整体のサロンでした。

「自分の体で気になっていたこ とが、“冷え性”と“骨盤の歪み” だったんです」
 
保育士をしていた頃、いつも左側だけで子どもを抱っこして いたせいか、片側の肩や腕がし びれるほど凝るなど、不調を抱 えていたちひろさん。ホーム ページに綴られていた先生の前 向きな考え方にも共感し、「こ の人に会ってみたい!」とピン ときた次の瞬間には、もう、電 話で予約を入れていました。
 
初めてサロンを訪れた時、先 生から「よくここまで頑張りま したね。その行動力が素晴らし い!」と褒められたことが、何 よりも嬉しかったといいます。 そして、「できます。必ずでき ますよ」という温かい言葉が、 ちひろさんの背中をもう一度押 してくれたのです。
 
サロンでは、東洋医学的な 観点から体質チェック。気に なっていた「体の冷え」を指 摘され、血の巡りを促す漢方 を処方されました。また、日 頃の体のいたわり方や、食生 活、運動についてのアドバイ スを受けました。また、体の 歪みを整える整体を週 1 回の ペースで受けることに。

「初めて受けた時、手足がポカ ポカしてきて体がゆるみ、気持 ちいい〜、幸せ〜と思って。私 に足りなかったのは、このリ ラックス感や“人に委ねる”こ とだったのかもと、体も心もガ チガチになっていた自分に気づ きました」

 それからのちひろさんは、 “生命力のある旬のもの”を食 べたり、毎日のウォーキング、日光を浴びる、好きな音楽を 聴く…など、日々を“より自 然に心地よく楽しむ”ように 変わっていきました。
 
またある時、サロンの先生 から「何かときめくこと、やっ てみたら?」とアドバイスさ れたちひろさん。早速、大好 きな俳優と直接会えるイベン トを見つけ、なんと福岡から 新潟まで一人で出かけたのだ そう。「こんなワクワク、ドキ ドキ感、ずっと忘れてた!」と、 これもまたちひろさんに新た な気づきを与えてくれること に。思ったら即行動!

  その 前向きさと行動力に、神様も 微笑みはじめていました…。

自分の体をいたわったら 自然と命がやってきた

生活習慣の改善とともに、体 質や姿勢、心のもち方も変わっ てきていたある日、自然妊娠が 発覚!

  漢方サロンに通い始め てわずか2カ月のことでした。

「もう、びっくりですよ!」
 
自分の体や心と向き合うよう になり、体の内側から湧いてく る「勘」みたいなものが冴えて きたというちひろさん。

「この子ができたのは“朝”に タイミングをとった時なんで す。疲れている夜よりも、エネ ルギーに満ちた朝のほうが絶対 いいはず!と、初めて朝にタイ ミングをとったら妊娠できた。 皆さんにもオススメです!」と笑うちひろさん。妊娠中もサロ ンに通いながら体調を整えた ことで、産後もスムーズに回復 できたと言います。
 
現在は、やんちゃに走りまわ るゆりかちゃんに振り回されな がらも「やっと来てくれた命、 ありがとう」という思いで、夫 婦で子育てを楽しんでいます。 ちひろさんは保育士にも復帰す ることになり、ゆりかちゃんを 同じ保育園に預けながら、働き 始めたばかり。

「落ち着いたら2 人目」を考えています。
 
つらくて涙したことが何度も あった4年間。どうしてもダメ だった時は、「養子」という選 択肢も考えていたそう。そして 数々の経験と思いを乗り越え辿 り着いたのは、“自分の体と向 き合う”“心地よく生きる”と いうことでした。

「サロンでアドバイスを受けな がら自分の体を大事にし、一つ ひとつ整えていったら、自然と 命がやってきた感じです」
 
サロンに通うたびに先生や スタッフの方から、「いい感じ」 「きっとできる」など前向きな言 葉をたくさんかけてもらったこ とも大きかったと振り返ります。

「今、不妊に悩んでいる人には、 決して諦めないでと言いたい です。自分がいいと思ったこと は結果はどうであれやってみ る。もっと自分の体に興味を もって、大事にして、いつか お母さんになるために頑張っ てほしいです」

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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