【Q&A】着床不全です。〜高橋敬一先生

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

にゃんさん(32歳)

PCOSで排卵せず、片側卵管狭窄気味です。
昨年11月に体外受精を行い、2個採卵して胚盤胞4AAと4BAになりました。
1月に4AAを5AAでHRT周期で移植→陰性、2月に4BAを5AAでHRT周期で移植→陰性。
3月から再度体外受精し、10個採卵して胚盤胞3BB(培養5日目)、4AA(培養5日目)、4AA(培養4日目)でした。
子宮鏡検査で慢性子宮内膜炎があったため、ビブラマイシン14日間服用。
服用後にTRIO検査とCD138検査を行い、結果はすべて問題なしとなりました。
現在移植周期に入る前のリセットでピル服用期間です。
特に前回と変更することなく治療する事になりましたが、なにか出来る事などはありませんか?
SEET法は行っておらず、出来ないと言われました。

2回の胚盤胞移植で陰性のために、ご不安のことと思います。
年齢的には、胚の染色体異常の可能性は高くはないと推測されます。
したがって、着床に注目しての検査や治療は理にかなっています。
実際に、慢性子宮内膜炎があったようで、抗生剤を使用して治療もおこなえました。
以前の2回の胚移植と、今後の胚移植は同じ条件ではなく、慢性子宮内膜炎の治療後の胚移植となります。

したがって、主な対策はすでにできていると思います。
SEET法は、前もって胚を培養した液を凍結保存しておく必要があるので、あとからは追加ではできないのです。
またSEET法の有効性は、まだ議論があるところなので、今回はあまりこだわらないでも良いと思いますよ。
もしこれ以上の何かをおこなうならば、ビタミンDの検査と補充、
炭水化物の減量、メトホルミンの内服、などがありますが、短期間で効果が出るとは言えないので、今回の胚移植には大きくは関係しないと思います。
基本的には、今の予定取りの胚移植で良いと思います。
頑張ってくださいね。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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